「あのぅ……南さん」
軒先で米国の高官と交渉中であった南は、後ろから問いかけてきた赤緒の申しわけなさそうな声音に、連中との会話を打ち切った。
「うん? 何ー? ……うっさいわね。とにかく! 予算は三割増し! 以上!」
「あ、いいんですか? 通信切っちゃって……」
「いーの、いーの! あんな連中、金づる以外にないんだから。で? どうしたの?」
「小河原さんから聞いたんですけれど……南さんって操主だったんですよね?」
「あー、うん。別に隠しているわけじゃないんだけれどね。今は、あなたたちのサポートってだけで」
「その時のお話を、聞いてみたいって、ミキちゃんが……」
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