レイカル 4 「好敵手(とも)の誓いを」

「ねぇ、ユーリ。持て余してるなー、とか思ってる?」

 問いかけられてユーリは眼鏡のブリッジを上げた。芳しいコーヒーの香りが漂ってくる。故郷ほどではないが、日本のコーヒー文化も悪くはない。

 薄暗闇の喫茶店では相棒であるオリハルコン――セラミアの姿を見咎める者もいない。マスターは静かにマグカップを拭いている。いい店だな、と口元を綻ばせた。

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