レイカル 8 七月「レイカルの夏休み」

 扇風機を回していると、レイカルが口を大きく開けて、あーと声にする。

「すごいです! 創主様! こいつの前に座って、あーって言うだけで、声が拡張します! 新種のアーマーハウルなのでは?」

「いや、あの……。そういうために造ったつもりはないと思うんだけれどなぁ……」

 扇風機の仕組みに関して教えるのもどこか億劫だ。

 作木は部屋の隅にかけられた温度計を見やる。

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