レイカル 9 八月「夏の思い出」

 ビーチは戦場。

 ――とばかりに、小夜は張り切っていたのだが、実際作木の軟弱体質にも困ったもので、早速パラソルを置いて、その陰で涼んでいる。

 小さな携行扇風機を手にし、既にぐったりモードだ。

「おおっ! 砂浜の中に何かいるぞ! カリクム! そっちから追い込め!」

「分かっているわよ! よぉーし、こっからが勝負だかんね!」

「……何の勝負なのよ、あんたたち……」

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