JINKI 41 遠雷の日には

 遠雷が漏れ聞こえて、赤緒はやおら台所から遠ざかっていた。それを見た五郎が嘆息をつく。

「あの……五郎さん」

「はい。後はさつきさんに手伝っていただきますので」

 赤緒は面持ちを暗くして台所を後にする。それを怪訝そうにさつきは窺っていた。

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