レイカル 10 九月「レイカルのお月見」

「あれ? レイカル……。どこに行ったんだろ?」

 夕飯の準備を行っている間にレイカルは部屋から忽然と姿を消していた。視線を巡らせる作木にラクレスが指差す。

「ここです、ここ」

 レイカルは毛布に包まっている。涼しくなってきたのでついつい居眠りでもしているのだろうか、と様子を窺うと、何と震えていた。

「ど、どうしたの? レイカル。怖い夢でも見た?」

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