JINKI 50 素直になれない背中

 もう二度と、サッカーどころではなく、両足で歩けなくなるのではないか、と思ったほどだ。それくらい、自分の心はちょっとした挫折に脆かったのだと思い知った。

 サッカーが続けられたのは計算式に頼らない人生が美しいと、とても楽しいのだと思えたから。夢中になれたのは数式なんてこの世は無視した、全く別の次元があると分かったからだ。

 だが、時には数式に依拠していたのを思い返す。

 ちょっと擦り剥いても、周りが目を瞠るくらいの怪我をしても、それがどれくらいの日数、どのような衛生環境ならば適切に処置できて治るのかを理解していた時分はまた違っていた。

 世界に輝きはなかったものの、「理解」という一事が全てを解決させていたのだ。

 血が滴っても、痛みが走っても、それは肉体の生理現象。どのくらいの期間、どのくらいの頻度なのかを完全に解析したのならば、克服するのは難しくない。

 だから、幼少期にはほとんど泣かなかったのを覚えている。

 泣かない子供、怪我をしても平気な顔をしている気に食わない人間だとして、何度か迫害じみた扱いは受けたが、それでも耐えられた。

 だって、痛みは消えていくから。

 だって、どれくらい我慢すれば終わるのかは、分かり切っているから。

 だから、耐え忍べばいい。何も感じず、何も考えず。

 数式の導くまま、自分はそれに従っていれば、何も怖がることなんてない。

 怖がることなんて――。

「――エル坊。うまく歩けんのじゃろう?」

 黄昏の街中で、祖父がそれとなく松葉杖をついている自分に問いかけていた。

「……こんなの、すぐ治る。みんな言ってんじゃん」

「ならば、何で、そこまで怯えておる?」

 ハッと祖父を仰ぎ見る。彼は背中をポンと叩いていた。

「負ぶってやるから、来い」

「負ぶうって、じーちゃん、それは変だ。だってじーちゃんの筋肉の付き方じゃ、ボクを負ぶったら……体重分の負荷がかかるし、それに老体だろ」

「老人を馬鹿にするでないわ。いいから。それとも、他人に負ぶわれるのは怖いか?」

 挑発に、自分は松葉杖を捨てて乗っていた。

 祖父の背中に思いっきり体重をかけて負ぶわれる。自分なりの嫌味のつもりだったが、祖父は何でもないことのように力強く、自分の体重を持ち上げて、背負ってくれていた。

 その背中があたたかく、とても心地よかったのを覚えている。

「……じーちゃん、お日様のにおいがするんだね」

「エル坊らしくないのう。日光のにおいと俗称されるものはダニやノミの死んだにおいだと、言うのではないのか?」

「……そういうの、負ぶっている時に言うのはずるい。じーちゃんはずるっこだ」

 こちらの抗弁に祖父は快活に笑っていた。

「では、いくらでもズルをするとしようか」

 辛くないはずがない。

 痛くないはずがないのに――。

 この時の祖父の背中を、自分は今でも克明に思い返すのだ。

「痛――ッ! 赤緒ー、タンスの角に足ぶつけたぁー……!」

 身悶えするエルニィに赤緒が慌てて駆け寄ってくる。

「大丈夫ですか? 痛い……ですよね……」

「うん、とっても……。何で日本家屋ってさー、こう、小指をぶつけやすくなってるの?」

「それは別に日本家屋のせいでは……。えっと、絆創膏、要りますか?」

「いや、そこまでじゃないけれど……。くぅー……痛いなぁ……」

 足を振るうエルニィに赤緒はふふっ、と笑いかけていた。それを彼女はむっとむくれる。

「何さ。赤緒ってば、ボクが痛がっているの、そんなに可笑しい?」

「あ、いえ……違って……。立花さんって、何でもこう……オーバーですよね? 痛がりだし、暑がりだし……」

「えー、だって基本的に人間はそういう風にできているんだから、感情を露にするのは当然でしょ? 日本人ってさー、変なこだわり多いよね。畳敷きの布団じゃないと認めない! とか。こっち向きじゃないと寝れない! とかさ。南米じゃベッドも当たり前だし、向きなんて気にしたことないよ」

「それは……立花さんがその……南米育ちだからじゃ……」

「でも、日本人の血も入っているんだし、日本人向きのことも分かっているつもり。……なーんで、なのかなぁ。小指をタンスの角にぶつける最適な角度を、さ。どうしてこう、うまいこと……」

 タンスを睨んでぶつくさ言い始めたエルニィは相当鶏冠に来ている様子だ。赤緒は曖昧に微笑みつつ、台所へと向かおうとしていた。

「あの……お茶取って来ますね。少し休んでいてください」

「……そもそも、何でこんなに硬い木造のタンス? そこもわけ分かんないよね……」

 タンス相手に問答とは、エルニィもなかなかに暇人である。台所にため息をつきながら入ってきたせいで、こちらを見やった五郎が不安そうに尋ねていた。

「……どうかしましたか? 赤緒さん」

「あっ、五郎さん。……いえ、私じゃないんですけれど……どうしてタンスに小指をぶつけるんでしょう?」

 五郎は小首を傾げたが、やがて微笑んで言いやっていた。

「それは注意不足なのでは?」

「あっ、私じゃないんですよ! 本当です!」

「分かってますよ」

 五郎は信じていないようである。赤緒は冷蔵庫に向かい、麦茶をグラスに注ぐ。

「……でも、立花さんって初めて会った時もそうだったけれど、すごく表情がコロコロ変わる人ですよね……。感情表現が豊かと言うか……」

「それだけいい出会いに恵まれて来たんでしょうね」

 いい出会い、と反芻して、赤緒は思案を巡らせる。

 自分は、これまでいい出会いに恵まれてきたのだろうか。人生経験は、言ってしまえばまだ三年経つか経たないか。それ以前の記憶は曖昧にもほどがあるが、人並みの感情表現は持っているつもりである。

 それでも、なお、分からない。

 エルニィの底抜けの元気さはどこを源泉としているのだろう。

 何があってもただでは転ばない、というガッツさえも感じさせる。そういう点では、ある種、両兵にも通じるものがあった。

「……南米で育つと、強くなるのかな……」

 そうこぼした赤緒に五郎が声を投げる。

「麦茶、その辺でいいのでは?」

 あっ、と声にした時にはグラスより溢れていた。

「……すいません」

「考え事もいいですけれど、赤緒さんもいい出会いには恵まれているじゃないですか。それに、私が知っている限りでは、とても強くなられたと思いますよ」

「……そんな、私なんて……」

 謙遜しながら、赤緒は雑巾で溢れた麦茶を拭き取る。

 こうして、感情という名のグラスがあるとすれば、エルニィは常に決壊状態な気がする。

 何に対しても一生懸命で、何に対しても全力だ。留まるところを知らない。

 一体何が、彼女をそうさせているのだろうか。赤緒はぼんやり考えつつ、麦茶を手にしていた。

「……赤緒さん?」

「あっ……えっと、その……立花さんにお茶を持って行かないとっ!」

 取り成したのは、下手な同情や勘繰りを避けたいと言う気持ちがあったからではあるが、五郎にはお見通しなのかもしれない。

 エルニィの持つ感情のパワーには振り回されっ放しだが、それでもどこか心地よい。

 今までになかった新しく、爽やかな風が吹き込んでくる感覚だ。

 まるで誰かを、元気づけさせるための感情のようにさえも思える。

 必死に誰かを、鼓舞しているかのようで――。

「……誰か。立花さんは、誰を……あんなにも一生懸命に元気づけようと……」

「何をやっている。赤緒」

 足を止めた赤緒を怪訝そうにメルJが庭先より声をかける。はっと我に返った赤緒は麦茶の乗ったお盆を取り落としかけていた。

「ヴァ……ヴァネットさん……? 驚かさないでくださいよぉ……」

「驚いたのはお前の勝手だろう。何を思い悩んでいる」

 メルJに聞いたところで決着のつくことだとは思わなかったが、それでも赤緒は自分以外の意見を求めていた。

「あの……立花さんって昔からああなんですか?」

「……ああ、とは?」

「えっと……とても元気と言うか……」

 その論調で悟ったのか、メルJは鼻を鳴らす。

「何だ、あいつに振り回されたクチか?」

 見透かされ赤緒は肩を落とす。

「……よく、分かんなくって……。何だか立花さんの元気って、誰かを、必死に元気づけているように思えるんです。それも多分……ずっと泣いている誰かを……」

 この名状し難い感覚が伝わるだろうか、と思っていたが、メルJは何てことのないように応じてみせる。

「ずっと泣いている誰か、か。その指摘は案外、間違ってもいないのかもな。私の持っている情報の限りだと、立花は孤児たちを集めて研究所を作っていたらしい。そういう、空元気のようなところはともすれば……」

「自分以外の誰かを……心配させないため……?」

「そこまでは分からん。だが、あいつの底抜けのガッツは、遠い誰かのためではなく、近しい誰かのためであるのだけは分かるが」

「近しい誰かのための……元気……」

 エルニィの人間関係をそういえば自分はほとんど知らない。ルイと南、それに両兵とは南米よりの仲であるのは窺えるが、それでも彼女は自分から過去を語りたがらない。

 自分も自分で分け入るような術は持っていなかった。

「……気にかかるのならば聞くといい。そう難しい問題でも、ないのかもしれない」

 鍛錬に戻るメルJの背中を見送り、赤緒はぼんやりと考えていた。

「……立花さんの元気は……誰かのための……」

 居間へと歩み進んでいた赤緒は、ルイとゲームに興じているエルニィの背中を目にしていた。

 先ほどまでのタンスへの怒りはどこへ行ったのか、ルイとの勝負に躍起になっている。

「このっ……おりゃっ……!」

 ルイは無言のまま巧みに操作し、エルニィのキャラクターの技を掻い潜ってコンボを決めてみせた。

 エルニィがムキーッ、と奇声を上げる。

「何で勝てないのさ! ゲームのデータは全部頭に入っているのにーっ!」

「センスよ。センス」

 応じたルイは振り返り、麦茶を呷って立ち去っていく。こちらへと涙目を向けたエルニィに、赤緒は硬直していた。

「あの……その……」

「……何さ。赤緒までボクを笑いに来たの?」

「いえ……、お茶をご用意して……」

「今、ルイが飲んだじゃん」

 あっ、と声にしたその時には、エルニィは居間を飛び出していた。

「もうっ! タンスに小指はぶつけるし、ルイには負けるし、赤緒には馬鹿にされるし! 散々だーっ!」

 その背中を呼び止める時間もなかった。駆け出したエルニィは鳥居を抜けてすぐさま神社から遠ざかっていく。

 残された赤緒は飲み干されたグラスをお盆に乗せて佇むしかない。

「……私だって、わけ分かんないですよ……」

 どこか自棄になりかけた赤緒の視線とかち合ったのは、屋根からぬっと顔を出した両兵である。

「……うっせぇな。今、ジジィに勝てそうなとこだったのに」

「す、すいません……。あの、立花さんは……」

「駆け出しちまったな。何やってんだ? 空のグラス持って、ぼんやりして」

「わっ……私のせいじゃないですよぉ……。もうっ……」

 困り果てた赤緒へと、両兵は屋根より降り立ち、首をこきりと鳴らす。

「立花と仲違いでもしたのか?」

「……そういうほどじゃ……」

「……しょーがねぇな。飯までに連れて帰ればいいだろ。行ってくる。ジジィには負けちまったしな」

 手を振ってエルニィの後を追おうとする両兵に、赤緒は覚えず呼びかけていた。

「あ、あの……っ! 立花さんって、何であんなに……いつでも元気なんですか?」

 両兵は胡乱そうにこちらへと振り返り、顎に手をやって考え込む。

「……何でそんなことが気になる?」

「いえ、その……っ。……ヴァネットさんに聞いて。立花さんの元気って多分、近しい誰かのための元気さなんじゃないかって。その近しい誰かって……一体……」

「さぁな。どっちにしたって、今の立花じゃ、いつ帰ってくるかも分かんねぇし。晩飯までに連れて帰ってくりゃいいだろ」

「あっ……小河原さん……その……っ。私、ちょっと心配なのかも、しれません……。立花さんの空元気が……危なっかしいと言うか……」

「危なっかしい、か。あいつと初めて会った時は、そういう印象でもなかったがな。だが……立花が、壊れそうな感じなのはよく分かっているつもりだ」

「……立花さんが、壊れそう……?」

 そのどこかアンバランスな言葉にきょとんとする赤緒へと、両兵は手を振る。

「……何でもねぇ。オレの気のせいかもな。あいつがいつも、壊れそうな自分のために、必死で笑っているように思えるのはよ」

「壊れそうな、自分のため……?」

 歩み去っていく両兵の背中に、赤緒は茫漠とした言葉を投げていた。

 確かなものなんてない。それでも、自分の思いを届けたい。

「小河原さん……っ! もし、立花さんに会えたら……そんな心配は要らないって……伝えてもらえれば……」

 余計なお世話かもしれない。だが、エルニィにはもう帰る場所があるではないか。それだけで、充分に――。

 両兵はこの時だけは、一息に素直には、頷いてくれなかった。

 いつからだろう。

 泣くことも、怒ることも、妬むことも、悩むことも――どれもこれも身に染みた所作になったのは。

 エルニィは黄昏の堤防に座り込み、夕陽を眺めていた。

 斜陽に染まるビル街は素直に美しいと思える。ロストライフ化の途上にある国の、まだ発展途上の街並みとは言え、それでも綺麗だと。

 そういう素直な気持ちを、自分の中できっちり飼い慣らせるようになったのは案外、最近かもしれない、と思い返す。

 この国に渡り、アンヘルのメンバーと出会い、メルJと反目しながらも互いに理解し、そして今――共に脅威となる八将陣へと立ち向かうことができている。

 ここまで来られたのはきっと、自分だけの力ではなかった。

 それはよく分かっているつもりだ。

 誰かの手助けがなくては、人間は生きていけない。ヒトは、一人で生きて一人で死ぬのではないのだ。

 そんな当たり前のことを、それは違うと思っていた頃の自分を思い出す。

 そして、不愛想で、ぶきっちょな幼い自分の相貌に、笑いながらこう言ってやるのだ。

 ――そんな人間も、悪くはないではないか。むしろ、愛おしいではないか。

 そう言ってやると、訳知り顔の自分はこう返してくる。

 ――そんなの、数式の眼を使えば分かる。見え透いた大人の理論。大人が勝手に信じ込んでいる張りぼてだろ、と。

 ふふっ、とエルニィは静かに微笑んだ。

「……馬鹿だなぁ。それができるから、人間なんだよ」

「――なぁーに、ガラにもなくたそがれてるんだ? てめぇは」

 不意打ち気味の声にエルニィはわっと驚いて堤防を転がってしまう。その手を取ったのは両兵であった。

「あっぶね……。気ぃつけろよ」

「り、両兵? 何で?」

「それよか……重っ……」

 二人して堤防を転がり落ちる。ごろごろと泥だらけになったエルニィはぶんぶんと頭を振っていた。

「もうっ! 何なの、両兵ってば!」

「こ、こっちの台詞……。つーか、よ。てめぇが言えたことかよ」

 逆さまになっている両兵の姿にエルニィはぷっと吹き出す。

「何それー! 両兵って何でこう、いつ死んでもおかしくないのに、死にそうになってんの?」

「うっせぇ。……柊が心配してんぞ」

 姿勢を正した両兵にエルニィは小首を傾げていた。

「赤緒が? 何で?」

「……てめぇのじゃじゃ馬さには手ぇ焼いてんだと。心当たりの一つや二つはあンだろ?」

「ううん。ない」

 真顔で言ったせいか、両兵が渋い顔をしてこちらを見据える。それが余計に可笑しくって、エルニィは笑い転げた。

「ば……バカ面ーっ! 両兵ってただでさえ馬鹿っぽいんだから、そういう顔やめなって……! 笑い過ぎてお腹痛いーっ!」

「……言ってろ。帰んぞ」

「あ、待って。痛っ……」

 どうやら堤防を転がり落ちた際に足をひねったらしい。自力で立ち上がろうとすると、両兵は嘆息をついて自分を背中に負ぶっていた。

「わっ……! いいよ、両兵! 自分で歩くから!」

「気ぃ遣うなんててめぇらしくねぇ。それに、柊だって参ってるんだ。少しは反省してやれよ」

「……うん。するから、さ。下ろしてよ……」

 少し気恥ずかしい。自分だって一人の少女なのだ。年の近い男に負ぶってもらったことなんてない。

 しかし、両兵は気にも留めていないのか、下ろす様子もない。

「下ろさねぇ。また逃げられたら堪ったもんじゃねぇからな」

「……何それ。ボクは逃げないよ」

「分かんねぇだろ。まぁ、それに、てめぇの空元気さはよく分かっているつもりさ」

 両兵に負ぶわれながらエルニィはかつて、祖父にも、このように負ぶわれたことを思い返していた。

 あの時、感じた太陽のにおいはしない。それでも、両兵から伝わってくる確かなぬくもりと鼓動は、あの時と似ているようで違う。

 ――この胸の高鳴りは、何なんだろう。

 また、計測できないことが、自分の中で起きている。

 それも同じようなシチュエーションで。

「……両兵。昔、じーちゃんに負ぶってもらったことがあるんだ。一回だけだったけれど」

「てめぇの爺さんってことは、立花相指か。オレは結局、会えなかった記憶しかねぇな」

「じーちゃんの背中ってあったかくってさ。お日様のにおいがしたんだ。……今の両兵からは酷いにおいがするけれど。お風呂入ってないでしょ?」

「悪ぃかよ」

「悪いよ。……この思い出を揺さぶるのに、こんなの……悪い」

 沈んだ声音に両兵は自分を担ぎ直し、駆け出していた。その速度にあわわ、と声にする。

「両兵! 危ないってば!」

「知るかよ、跳ねっ返り! てめぇのナーバスな顔なんて誰も見たかねーんだ。……空元気貫くならよ。ずっと貫いてみせろって。そうすりゃ、オレも安心するしな。見ていて飽きねぇから」

「何それ。……ホント、何だそれって感じだよ。でも……ありがと。それと、もう一個。赤緒たちの前でこれは恥ずかしいから、下ろしてよね。でもそれまでは……このままでいい?」

「勝手にしろ。オレも勝手にする」

「……うん。両兵……あったかいね」

 両兵の背中に顔を埋める。

 いつかの祖父との記憶もきっと、この日と同じ。

 あたたかな、誰かの背中であったに違いない。

 自分はきっと、その時素直になれなかった自分の横顔にいつだって、笑いかけ、泣いてみせ、そして――強くあろうと誓ったのだ。

 だから、素直じゃない、生意気な横顔と、泥だらけの背中にこう言ってやる。

 ――誰かに頼り切るのもきっと、悪くないよ、って。

 そう言って一番の笑顔を向けてやるのだ。

それがいつかの誰かを救う、言の葉だと信じて。

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