JINKI 55 銀と黒

「――ヒトは、罪を被って生まれてきた、と我々は定義します」

 教会に響き渡ったその声音にぼろを身に纏っていた信徒たちは、おおと声を上げていた。

 どれもこれも、見渡せば些事なるもの。そう断じた金髪のシスターはその銀色の瞳を憂いに伏せる。

 嘆かわしいこの世界に、一筋の赦しを乞うかのように。

 あるいはもう終わりに近づいている世界への、秒読みの諦観そのもののように。

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