JINKI 67 君と前に進みたい

 ――両手をまず、真っ直ぐに伸ばして。

力まないで、ペダルを踏んだ足はぶれさせず、重心を真ん中に捉える――。

 ハンドルを掴んだ手が震える。掌が汗ばんでいるのが分かる。

 緊張しているのか、と己に問いかけても、やはりと言うべきか、相応な返事も得られないまま、漕ぎ出しかけて、赤緒は何度目か分からない、よろめきを実感していた。

「あー! また赤緒だよ。いい加減乗れるようになったら? 自転車くらい」

「あぅ……でも乗れないんですよぉ……」

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