部屋中に巻き散らかされたケーブルに、赤緒は辟易していた。
「……もうっ。立花さん。散らかしっ放しじゃないですか……」
「あー、それ? 今必要だから置いといて。データ取るのにこっちの電源だけじゃ不足していてさー。もうちょいで組み上がるから」
エルニィは相変わらず軒先で巨大な筐体を睨んでずっとキーボードを打っている。何をしているのかは窺い知れないが、きっとアンヘルのためであろうということだけは分かる。
だが、その散らかり具合は日に日に増していく一方で、片付けるということをしないのはやはり問題であった。
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