ウィンヴルガ 5 真白のとある1日 2

「噂じゃ卵巣に電気流れるようにされてるみたいだぜ。泣き叫ぶとこ見せてくんねぇかな」

 私のことを話す声が嫌でも耳に入って来る中、悔しさを滲ませながら俯いたまま歩を進める。

 その時だった……。

「今日はどうやってあいつのお仲間を泣かしてやろうかねぇ」

「あいつ、なかなか泣かないから嬲り甲斐があるよな」

 ドミネイト兵たちの会話が聞こえてきた。ハッとそちらの方を振り向いて声を上げる。

「あ、あなた達、今なんて……飛花ちゃんは無事なのっ!?」

「んん? 何だ、教えて欲しいのか?」

 1人のドミネイト兵がこちらに近付いてくる。ニヤニヤとした目は私の胸に釘付けだ。

「それならもっと、ものを頼む態度ってもんがあるだろ? 例えば……〝私のおっぱいと穴をご自由に使っても構いませんから〟とかな。ぐひひひ……」

「ぐっ……飛花ちゃんに何かしたら絶対に許さ……あぐぅっ!?」

 股間に鎖がギチィッと食い込んで、私は思わず悲鳴を上げた。根室がさっさと歩けと言わんばかりに鎖を思いきり引っ張ったのだ。膣口に走る刺激にガクンと足が折れる。

「ほら、真白さん、止まらないで下さい……あなたも、彼女は私の所有物なのです。勝手に手を出したら、どうなるか分かりますよね?」

「うっ……は、はい。申し訳ありません……」

 根室に凄まれたドミネイト兵は狼狽えながらそそくさと逃げ出した。悔しいが、ここではこの男に連れられているから他のドミネイター達は私に手を出せない。もし、根室が「好きにしても良い」と私を置き去りにしたら……私はあっという間にこいつらに喰い散らかされるだろう。だからこそ、飛花ちゃんが心配で心配で堪らない。

「あなたのお仲間……確か飛花・ルージュでしたか。心配しなくても彼女はちゃんと生きていますよ。食事はきっちりと与えられています。まだ心も折れておらず、凄まじい反抗を続けていると聞いています。可哀想に、地獄のような毎日でしょうがね……」

 鎖をわざとグイグイ引っ張って、股間に食い込ませながら、白々しく飛花ちゃんの情報を口にした。それでも私の心は晴れなかった。〝地獄のような毎日〟……やはり、飛花ちゃんはドミネイター達から陵辱を受け続けているのだ。予想はしていたが、実際に聞くと心が締め付けられるように痛む。

「あっ、んぐっ……! か、可哀想と思うなら……んっ、解放しな、さいよ……んあぁっ!?」

 股間の柔らかい部分に鎖がギチッと食い込んだ。足が浮いてしまいそうなほどの力で鎖を引っ張られると、満足に喋ることもできなくなる。

「ふふふ、それは出来ませんねぇ。彼女も大切な〝捕虜〟なのですから……さぁ、着きましたよ。ここからは他人の心配をするより自分の心配をした方が良いですよ。今日のはなかなか凄いですからねぇ」

 頭に浮かぶのは飛花ちゃんの笑った顔――

(飛花ちゃん……私に力を……)

 こうして私の〝調教〟が今日も始まる…………。

「真白さん、ご気分はいかがですか?」

「………………」

 答えるまでもない分かりきった質問にそっぽを向く。

 私はまるで壁に埋め込まれてしまったかのように手足を拘束されていた。手と足を平行に〝土〟の字のように開いた状態で壁のような拘束具が飲み込む――ドミネイターの研究施設においてよく用いられる拘束方法だった。

 無理やりに開脚させられた股関節が軋む痛みに顔をしかめる。手足を開いたまま動かせないと言うのは結構キツイものなのだ。

「さてさて、早速始めましょうか」

 ガラスの向こうで邪悪に嗤う根室が手元のパネルを操作した。

 すると、私の股間の下の床が割れ、何か棒状のものがせり上がって来た。

「ちょっ、ちょっと……何よ、これ……」

 それを見た瞬間、嫌な予感が一気に噴き出して、こめかみを汗が伝う。

「ふふふ……今日のあなたの相手ですよ。すごいでしょ、それ」

 細い鉄棒の先端に恐らく男性器を模したであろう道具が付いている。これまでにそういった異物を挿入された経験は何回かある。しかし……今回のそれは今までとは明らかに違っていた。女性器に挿入するにはあまりにも歪な形状をしている。

「相手って……嘘、でしょ……? こんなもの入るわけないじゃない……第一、人間の性器に入れて良いものじゃないわよっ!」

 以前捻じ込まれた鉄串と同じかそれ以上の太さをもつそれは、不気味なデコボコとした表面に様々な長さの突起が不規則に生えており、先端にはカメラのレンズらしきものが光っている。

「あなたのために作った世界に1つだけの淫具ですよ。真白さんの女性器の詳細なデータを基に、あなたが最も苦しむ形状になっているのです……それに加えて先端には高性能カメラが付いており、真白さんの膣内の様子を鮮明に記録することができます」

 あまりにも惨たらしいことをしたり顔で語る根室に吐き気を催す。

 私はこの研究施設で〝調教〟の一環として、性器の詳細なデータを取られた。膣内の長さやクリトリスの大きさの他、膣圧やどのくらいの太さのものが挿入可能か、子宮口の硬さ、絶頂時の膣内の痙攣の仕方、愛液の分泌量など根室が思いつく限りありとあらゆるデータ取りが行われた。

 中でも、脳波計と感度計を装着した状態で、膣内の快感ポイントと苦痛ポイントを探る実験は屈辱を極めた。

 自分としては感じているつもりは一切ないのに、脳はきっちりと快感を得ているデータが機械によって突き付けられ、根室が面白半分にそこを責めると悔しさに塗れたまま絶頂を迎えてしまった。脳波計の振り切れたグラフが嫌が応でも絶頂の事実を伝えて来た。

 逆に、当たると嫌なところに触れられると、肌が粟立ち、身体の中をゾワゾワとした不快感が駆け抜ける。私の中の〝あいつ〟と会う時の感覚に似ていた。そう言ったところを責められると、身体が拒否反応を示すのか、生理的な涙が勝手に溢れて来た。

「勿論、ただ挿入するだけではありませんよ。しっかり上下に動かしてあげますからね」

 根室が再びパネルを操作すると、棒が上へと伸びて来る。私は歯を噛み締めて股間に近付いてくる凶器を睨み付けるが、だからと言ってどうなる訳でも無い。あっという間にピトリと私の股間に触れる。改めて見るとあまりに太く、ゆうに私の腕を越えている。

「私が満足するまでは気絶しないで下さいね。そんなことになったら飛花さんを〝女壊〟で犯しますからね」

「なっ……!? 何を勝手なことを……!!」

 〝女壊〟――それは少し前からドミネイト兵が導入した拷問器具だ。重要な任務に失敗したり反抗が目立つ女性兵士に対し使用されるらしく、詳細はあまり知られていないが文字通り女体を〝壊して〟しまうと噂されているようだ。

「お友達が世にも恐ろしい拷問にかけられるのは嫌でしょう? それならばしっかりと耐えることです……それではいきますよ」

 その言葉が悪夢の始まりとなった。

 股間に密着していたディルドがゆっくりと稼働を始める。

「う゛、ぎっ……!?」

 ほんの少し先端が触れただけで感じる凄まじい圧迫感。膣口がミチミチと拡がっていくのを感じる。

「あ゛っ……ぐぅぅ……あ゛っ……!」

 狭い膣道が機械の力で無理やり掘削されて苦鳴が漏れる。ゆっくりと挿入されているせいで、余計に膣肉が拡がる感触が伝わってくる。

(太っ、すぎる……っ!!)

 まず始めに広げた傘のような形状の返しの付いた〝カリ〟の部分を飲み込まなければならない。いきなり迎える超極太の部分――加えて、カリの部分はザラザラと猫の舌のようになっていて、膣口が容赦なく擦られる。

「あ゛っ……ぎっ……い゛っ! うっ、ぐぅぅぅ……あ゛あ゛あ゛っ!!」

 鋭い痛みとともに膣口が限界まで拡がって、切れると思た瞬間、グポン――ッとカリ部分が膣内へと入り込んだ。

「先っぽが入り込みましたね。如何ですか?」

「こんなもの……た、大したこと無いわ……はぁっ、はぁっ、見掛け倒しね……」

 脂汗を額に光らせながら強がりを言う姿は滑稽に映るだろうが、無様な姿を晒すよりは幾分かマシだった。例え、数分後に苦痛に満ちた悲鳴を上げることになったとしても……。

 カリの部分を抜けたとしても太いことには変わらない。カリの次は不規則な突起が膣壁を引っ掻き始め、むしろ苦痛が増したようにすら感じる。

 そして、極太のカリが奥へと向かって行く様子が下腹部の盛り上がりからも見て取れる。

「ああ゛ぁっ!? ア、ソコが引っ掻かれて……あ゛ぎぃっっ! い、痛゛いっ……」

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