レイカル 18 7月7日 レイカルの七夕

「いーやっ! 絶対にこのほうがいいっ!」

 譲らないレイカルにカリクムは言いやる。

「私はこっちのほうがいいって言ってんだよ! なぁ、小夜ー、こいつどうにかしてくれよ!」

 二人をどこか余所目に小夜は嘆息をつく。

「……あんたらねぇ、顔つき合わせたら喧嘩ばっかり……どうにかしてほしいのはこっちよ」

 肩を竦めるとレイカルは飛びかかる。

 その先は笹であった。ぶらんと釣り下がり、ふふんと鼻を鳴らす。

「どうだ! これで私が先行を取ったぞ!」

「あっ、ずるいぞ、お前! 私だってーっ!」

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