ウィンヴルガ 6 真白のとある1日3

「ちっ、つ……けい、れ……? あ゛ぐぅ゛う゛ううっ!?」

 聞き慣れない言葉だが、それが良いものでは無いことは今の状態を見ても明らかだ。

「膣痙攣と言うのはですね、心理的な原因によって自分の意志とは関係なく、膣周辺の筋肉が痙攣してしまう女性の性機能不全の1つとされています。これが発生すると、ペニスを挿入することも難しくなってしまうほどに膣が狭まってしまいます。では、何かを挿入した状態でこの膣痙攣を引き起こせば……今のあなたみたいになる訳です」

「くっ……あんた達は、どれだけ、狂って……ん゛ぐぁあ゛ああ゛あっ!!?」

 私が抗議の言葉をあげる前に、ディルドが再び上下に動き始めた。

 ディルドによる容赦のない掘削と摩擦に、私の口からは今日一番の断末魔があがる。

「ペニスの挿入中に発生すると、抜けなくなるとも言われていますが……これは機械の力で動いていますので、関係なく動かせますからね。狭すぎる膣内にそのディルドは些かきついでしょうが……」

「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! い゛や゛ぁ゛あ゛あ゛っ!! 痛い゛痛い゛痛い゛痛い゛痛い゛っっ!!!!」

 〝きつい〟なんて生易しいものじゃない。膣痙攣によって指すらも入るか分からないほどに狭まった膣内に、ただでさえギリギリのサイズのディルドが捻じ込まれるのだ。まるで巨人に犯されるようだ。

「あ゛っ、ぎっ!? あ゛ぁ゛あ゛あ゛っ!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛――――っっ!!!」

 首を仰け反らせ、大きく見開いた目からは止めどなく涙が頬を伝う。

 歪んだ狂気を全て性器で受け止める。ディルドが子宮ごと私の身体を浮き上がらせる。ピストンのたびに、透明な粘液が膣から吹き出して、床を汚していく。身体が性器を守ろうと必死で分泌する保護液――それは愛液よりも粘性の高い〝異常な体液〟だった。

「あ゛――が――」

 意識が少しずつ保てなくなってくる。外傷には慣れている私でも、膣内や子宮を一方的に責められ続けると勝ち目はない。こういう時、自分が女であることを自覚し呪いそうになる。

(もう、ダメ……意識が……)

 毎日行われる〝調教〟の大半は気が付いた時には終了している。根室は気を失った私をしばらく嬲り続けているようだが、気を失っていれば何も感じなくて済む。ある意味、救いだった。

「すぐに孕めるようにしっかりと叩いて子宮を柔らかくしてあげますからね」

 その言葉を最後に、私の意識は暗転した。

 どれだけ気を失っていたのか分からない。目が覚めた時には監禁されている根室の自宅だった。当然のように衣服は身に付けていない。

「いっ、つ……」

 下腹部がズキズキと痛い。きっと、私が気絶した後も凶器のピストン運動は続けられていたのだろう。薬の効果は切れたようで、秘部の異常な痙攣は無くなっていた。

「あの変態野郎……やりすぎなのよ」

 ベッドに横たわりながら下腹部を摩っていると根室が部屋に入って来た。

「やっと起きましたか。真白さん、食事の時間ですよ」

「…………」

 結局のところ、根室は私を壊したいのか孕ませたいのか分からない。卵巣に電極を取り付け、調教という名の拷問で私を苦しめる。一方で、栄養のある比較的豪勢な食事を毎日食べさせ、きっちり入浴もさせられる。根室の意図が分からない。まぁ、分かりたくもないが……。

 私は無言のまま立ち上がると先行する根室の後に付いて歩く。鎖のリードも無く、根室は背を向けているが、ここで抵抗しても無意味なのは身をもって知っていた。ここに来てすぐの頃、私に背を向けて歩く根室に襲い掛かろうとしたが、卵巣への通電によって阻まれた。

 油断しきった相手を前に何もできない歯がゆさに拳を握りしめる。そうこうしているうちに食堂へと辿り着く。

「用意しますから、あなたの椅子に座っておいてください」

 そう言って根室が引いた椅子の中心には完全に男性器の形をした異物がそそり立っていた。私はこのディルドを膣内に挿入したまま食事をとらなければいけない。当然、きちんと挿入しているかどうかを食事の前に確認される。振動や突起は無いが、やはり違和感が大きく落ち着かない。食事が済むと、どれだけディルドを濡らしたかを根室に見られる恥辱がデザートとして待ち構えている。

 入浴は一見すると何もないように思えるが、私の身体は浴室に仕掛けられたカメラによってリアルタイムに見られ、録画されている。

 そして、この恥辱に塗れた食事と入浴が終わると、〝本当の地獄〟が始まるのだ。

「…………」

 主の寝室で待たされている私の格好は破廉恥極まっている。乳房と股間の部分に穴の開いた純白のウェディングドレスのような下着――これが、この〝夜伽〟の正装だった。

「お待たせしました」

 バスタオルを腰に巻いた根室がニヤケ面とともに入って来る。その股間のイチモツは既にいきり立ち、バスタオルを押し返している。

「今日も綺麗ですねぇ」

「…………御託は良いから、さっさとやりなさい」

 「つれないですねぇ」という根室の顔は邪険な言葉に怒ると言うよりも獲物を前にした肉食獣のものだった。

 実際、私の表情は屈辱と不安が入り雑じって、かなり余裕のないものとなっていることだろう。

「それではいつものように……」

 根室が小箱を取り出しパカッと開くとこちらに差し出してくる。中には銀色に光る指輪と白い錠剤が入っていた。

 指輪の方は受信側と発信側に分かれており、受信側は登録された発信側が感じた快感刺激を受け取り、神経を通って脳に直接送り込まれる。私がはめる指輪は当然受信側で、根室が発信者として登録されている。つまり、根室が私を犯すことで得た快感は指輪を通じて私にも送られるのだ。

 なお、この指輪の実験台としてグロリア隊のラーラさんが選ばれたらしい。大勢のドミネイト兵の男達、そして彼らに輪姦されたマコトさんが送信側になり、ラーラさんが受信側として全員の快感を一晩中一身に受け続けたらしい。聞くだけでも身の毛がよだつ実験だ。

 そして、白い錠剤――これは強力な女性専用の発情剤である。

 〝発情状態にある女性は妊娠確率が上昇する〟という研究データから創薬されたこれは、服用すればたちまち乳房やクリトリス、子宮といった女性特有の部分が凄まじいほど鋭敏になる。女性器に与えられた刺激は脳が勝手に快楽として改変し、自分の意志とは無関係に悶えさせられる。なかなか妊娠しない女性に対して使用され、こちらはグロリア隊のアキさんが実験体となったようだ。彼女が生前孕んだ1回――それはこの薬を使用された直後だったと言われている。

 ――この2つの道具が毎夜毎夜、私を狂わせる。

 私は震える手で指輪を手に取ると、左手の薬指にはめる。送信側の指輪が根室の左手薬指にはめられている。

 そして、白い錠剤を指で摘まむと恐る恐る口へと運び、舌の上に乗せるとゴクリと嚥下した。

「ちゃんと飲み込んだか確認しますから口を開けてください」

「……そんなことしなくてもちゃんと飲んだわよ…………どうせ分かるでしょ」

 この薬は体内に取り込んでしばらくすると効果を発揮し、その変化は目に見えて分かる。望まぬ快楽を叩き込まれて絶頂する屈辱、自分が自分でなくなる恐怖。

「ふふふ……それもそうですね。それでは始めますか。真白さん?」

 そして、望まぬ妊娠をするかも知れない絶望……。

「…………私は……! 根室大二郎を愛し…………喜んで……子宮を捧げます……」

 負の感情がごちゃ混ぜになる中、最悪な〝夜の挨拶〟とともに夜が幕を開けた。

 数分後、室内の空気は濃密なものと化していた。

「んぅっ! くっ……はぁっ、はぁっ……あぁっ!」

 暗い密室に響き渡る屈辱と甘美に満ちた声。

 それは根室の上に身を沈ませる私の唇から発せられているものだった。あれほど嫌がっていたはずの肉棒が秘肉を貫通するたびに、それが漏れ出てしまう。身体が小刻みに痙攣し、顔が火照って仕方がない。きっと頬紅を塗りたくったように上気しているのだろう。

 薬がもたらす凄まじい快感に戸惑う私の膣からは、蜂蜜のような愛液が止めどなく滴り、根室の肉棒を伝って流れ落ちた。

「い、いや……ああぁ……ううっ……くぅ……んんんっ!」

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