訓練場の片隅で、駆け抜ける紫色に塗装されたトウジャを目に留めて、両兵は立ち止まる。
「……ありゃ、何だ? 訓練の中にゃ、自衛隊のための《アサルトハシャ》と、ナナツーの編成案しかなかったはずだが」
紫色のトウジャはシャープな白いラインを施されており、高機動を実現するために、肘にも加速推進剤が備え付けられている。
既存の《トウジャCX》の開発理念とも違う機体を凝視していると、唐突に声がかかった。
『よぉーし、そこまで! いい感じだよ、ルイ』
JINKI オリハルコン・レイカル 人狼機ウィンヴルガ