JINKI 83 ささやかな眠りにつく前に

「モリビトの駆動系はナナツーのものが流用されていて……で、代替部品をすぐには揃えられないから、関節部やブルブラッドの消費を少なくするために、されている工夫が……」

 そこまでマニュアルを読んだところで、ノックの音が耳朶を打つ。

「……こんな時間に?」

 青葉は枕元の時計を見やる。もう深夜二時だ。とっくにみんな寝入っている時間だろう。慎重に歩み寄ってドアを開けると、パジャマ姿のルイが枕を持ってじっとこちらを見据えていた。

 思わずひっ、と短く悲鳴を上げてしまう。

「ルイ……? どうしたの? 南さんは……」

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