「オーライ、オーライ。よぉーし、そこまで」
エルニィは傾がせた麦わら帽子越しに陽光を睨む。
憎々しいほどの晴天はしかし、砕け散った敗残を散らすのにはあまりにも無情であった。
「ひとまずパーツは集めて。あとはこっちで何とかするから」
視線を投じれば作業用に貸し出した自衛隊の《ナナツーウェイ》が散乱した部品を回収している。それもこれも、と彼女は崩落したビル群を眺めていた。
「……一瞬だったね。決着がついたのは」
思い出すだけで総毛立つ。
JINKI オリハルコン・レイカル 人狼機ウィンヴルガ