JINKI 95 巨人狩り中編①

「オーライ、オーライ。よぉーし、そこまで」

 エルニィは傾がせた麦わら帽子越しに陽光を睨む。

 憎々しいほどの晴天はしかし、砕け散った敗残を散らすのにはあまりにも無情であった。

「ひとまずパーツは集めて。あとはこっちで何とかするから」

 視線を投じれば作業用に貸し出した自衛隊の《ナナツーウェイ》が散乱した部品を回収している。それもこれも、と彼女は崩落したビル群を眺めていた。

「……一瞬だったね。決着がついたのは」

 思い出すだけで総毛立つ。

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