「しっかし、エルニィの奴。かなり無茶な要求を突き付けたみたいだなぁ」
シールのぼやきに月子はコックピットに入って反応を見ていた。操主ではないものの南米でいくつもの人機を取り扱ってきた経験がある。
操縦系統やシステムの整備には自信があった。それは無論、相棒であるシールも、である。
彼女はパーツを運び出す自衛隊員へと声を飛ばしていた。
「そこ! さっさとパーツを納入してくれ! 敵は待ってくれないんだからな!」
「シールちゃん、日本の自衛隊員さんに向かって……」
こちらの心配をよそにシールは鼻を鳴らす。