ウィンヴルガ15 ① 真白が夢の中でもう一人の真白に責められて屈辱絶頂する話

 そこは、真白にとって決して忘れることのできない場所だった――ドミネイターの襲撃を受け、抵抗の末に連行された真白は、見知らぬ男に膣内を検査された挙げ句、変わり果てた大切な妹の姿を見て怒りを爆発させ、ウィンヴルガとの契約を果たした。これまでの日常の終わりであり、戦いの始まりとも言える場所だった。

 今の真白はまさにその時の再現、一糸纏わぬ姿で手足を壁から伸びる鎖で拘束されていた。

「何よ、これっ!!」

 四肢を暴れさせるも、ガチャガチャと鎖が虚しく音を立てるだけでビクともしない。手錠が手首に擦れて痛みを生じさせるだけだった。

(確か私、ウィンのコックピットで眠っていたはずじゃ……)

 徐々に真白の記憶が蘇って来る。

 自分は敵の襲撃にいつでも備えられるようにウィンヴルガのコックピットで眠りに就いたはずだ――それが何故こんな場所にいるのか。そして何より、この場所にいるということは〝あいつ〟がいると言うことで……。

「ふふっ、起きたわね」 

 正面の扉が開いて1人の少女が入って来る。顔も背格好も真白と瓜二つの少女は、困惑する真白を見て目を細めた。

「……一体私に何の用なのよ……」

 例え〝降伏〟を示すように上手で拘束され、その齢にしては立派に実った双乳や、これまで幾度のピンチを経ても何物の侵入も許すことはなかった綺麗な割れ目を晒していようとも、真白は目の前の自分自身をキッと睨み付けた。

「あら……用があるのは私じゃなくてあなたの方でしょ?」

 真白そっくりでありながら、本人とは雰囲気がガラリと違う少女――悲しみや憎悪といった大量の負の感情を背負い込んだ真白の中のもう1つの人格とも言える存在。それが獣堕ちしたマシロだった。

「私はあなたに呼ばれたのよ。もう分かっていると思うけど、ここはあなたの夢の中。現実世界のあなたはウィンの中で、すやすやと気持ち良さそうに眠っているはずよ」

「なっ……!? そんなこと、ある訳……!」

 信じられない言葉に真白は目を剥いて反論する。確かに『力が欲しい』と願ったが故に、彼女が出てきてしまったこともある。しかし、今回は真白の夢の中に彼女が現れた。それが何を意味しているのか、真白自身には全く分からない。

「ふ~ん、なるほどなるほど……」

 変わらず鋭い視線を投げてくる真白の身体をジロジロと見つめ、何やら納得したようにニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべるもう1人の真白。そして彼女の口から出た言葉は真白にとって更に信じられないものだった。

「くすくす……あなた、溜まっているのね」

「は……?」

 意味の分からない彼女の発言に、思わず眉を寄せる。真白の困惑をよそに、マシロはまるで全てを見透かしているかのように語り続けた。

「あなた……いや、私たちだって年頃の女の子……当然、性欲だって人並みにある。けれど、あなたがこれまでに見て来たエッチなことってどれもこれも男の身勝手なものばかりだったでしょ? だから、〝そういうこと〟はいけないことだって思い込んでいるのよ」

「……っ!」

 いきなり図星を突かれた真白は言葉に詰まる。

 確かに彼女がこれまでに見て、その身で経験した性的な行為は全て暴力と屈辱に塗れていた。ドミネイトの男たちが女性に己の欲望を乱暴にぶつける醜悪なものばかりで、女性側は皆、苦痛に顔を歪めながら涙を流していた。真白自身も屈辱的な格好で、自らの手で性器を拡げさせられた。だからこそ、マシロの言う通り、いつしか性的なものは悪なのだと考えるようになっていた。〝あの時〟まで……。

「でもあなたは、あの映像を見てしまった。グロリアが幸せそうに男を受け入れ涙を流す姿は、あなたのこれまでの考えを崩すと同時に、今まで蓄積させてきた〝欲〟を密かに爆発させた……」

 そう言ってマシロが真白に一歩近付いた。

「だからあなたは無意識に私を求めた……その気持ちを何とかしたくてね」

「ち、違うっ……! 私は……私はそんな……」

 必死に真白の言葉を否定するように首を横に振るものの、その声はどこか弱々しい。実際、あの映像は真白の脳裏に今でも焼き付いている。ドールマンと交わったグロリアが本当に幸せそうな表情を浮かべる様子は、真白に〝男女が等しく愛し合うことの素晴らしさ〟を改めて思い出させ、密かに自分もそうありたいと強く願うようになった。

「ふふふ……大丈夫、私に任せておいて。そのモヤモヤした気持ちを解消してあげるわ」

「あなた……何を言って……」

 マシロが小悪魔的な微笑のままどんどん距離を詰めて来て、とうとう真白の目の前までやって来た。

「と~~っても気持ち良くしてあげるから♡」

 真白の耳元でそう囁きながら、首をつーっと指でなぞった。

「ひっ……!? んっ、く……い、いらないわよ!」

 くすぐったさに身を捩りながら拒絶する。しかし、手足を拘束されている状態では満足に動くこともできず、結局、マシロの手からは逃れられない。

「そ、れ、に、し、て、も……あなたってほんと良い身体よね」

 無毛腋に指を這わせてその質感を楽しんでいたマシロは一歩退くと、真白の綺麗な銀髪の生え揃う頭頂部から緊張と不安で少し丸まった足先へと舐める様に視線を移した。

「そんなの、あなただって同じじゃない……!」

 見せ付けているかのように晒された腋、白い曲線にピンク色の先端が映える乳房、開脚しか許されず屈辱に震える割れ目……自分でもあまり見る事の無い女性的部位を、自分と全く同じ容姿と背格好をした存在にまじまじと見られる不快感に歯を噛み締める。

「ふふ……ねぇ、もしドミネイターに捕まっちゃって、これまでみたいに助けが来なかったら、あなたの身体はどうなってしまうのかしらね……?」

 真白の身体を眺めていたマシロが突然ポツリと呟いた。

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