JINKI 107 思い出が翳らぬように

 それぞれに携行する巨大なリュックサックを背負った後ろ姿に、赤緒はむぅと頬をむくれさせる。

「なぁーに、不機嫌やってんだ、柊」

「だって……急に言い出すんですもん、南さんも。今日は鯛料理だったのに……」

「時間がねぇんだ、仕方ねぇだろ。黄坂だってない暇を割いてやってんだから、文句言うなよ」

 下操主席で南のフォローをする両兵に赤緒は言いやっていた。

「……そもそも、何で体操服なんですか……」

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