JINKI 110 踏みしめる、この瞬間に 投稿者:綱島志朗公式サイト管理人 2020年12月12日2020年12月12日 JINKI 110 踏みしめる、この瞬間ににコメント ――微かに切れ切れになった記憶の中で、囃し立てる子供の声を聞く。 それは渦巻く断片の記憶に墨を垂らしたかのように広がり、やがて拡散し、そして霧散する。 一滴の記憶の片隅に過ぎないそれを辿ることは叶わず、何度か手繰り寄せようとして、やはり無駄か、と諦めていた。 何度も、何度だって、この身が引き裂けそうになりながらも思い返そうとして、それでついぞ思い出せずに雑多な思考の只中に消えゆく。 それはすれ違う人波のように。 ページ: 1 2 3