JINKI 143 こんな邂逅も

「あのぅ、小河原さん……? もうやめません? 何回やっても、無駄ですよ……。それに、お金だって……」

「黙ってろ、柊。まだだ、まだ。まだオレはやれる」

 そう自身を鼓舞する両兵の背中を見やりながら、赤緒は対面で湧いた群衆の歓声にびくりと肩を震わせていた。

「すげぇ! 十五連勝だぞ、この人! 逸材だ!」

「ああ、このゲーセン始まって以来の名勝負だぜ!」

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