レイカル36 9月 カリクムとひと夏の別れ

「すっかり涼しくなってきたわねー、小夜」

 ベランダから洗濯物を取り込んだナナ子の言葉に、小夜はうーんと思い悩む。

「何よ。この世の不幸が一身に降り注いだみたいな煮え切らない顔しちゃってさ」

「……まぁ、今年も何だかんだで夏は過ごせたし? 別にいいんだけれどさー」

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