JINKI 200 南米戦線 第一話「氷雨の夜に」

【1】「氷雨の夜に」

『――《モリビト2号》の血塊炉臨界試験を開始します。モニターには私、黄坂南が。操主は小河原両兵と柊赤緒両名によるものとします』

 いつになく緊迫した南の声に上操主席に収まった赤緒は掌が汗ばんだのを感じたが、下操主席の両兵はいつもと変わらぬ様子で出力を調整する。

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