ウィンヴルガ 4 真白のとある1日 1

 楽しかった日々の夢を見る。

 大切な妹とのかけ換えのない日々。皆が笑い合って毎日を過ごし、将来への不安なんて無かった。こんな日々がずっと続くのだと疑ったことも無かった。

 だけど……

「う、ん……」

 意識が優しい思い出から絶望的な現実へと引き上げられる。

 まず耳に飛び込んでくるのは鎖が擦れ合う耳障りな音――その音が夢見心地な私の意識に泥を塗りたくる。取り付けられた無機質で冷たい金属の首輪が今の身分を如実に表していた。

(いつの間にか気を失っていたのか……)

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