JINKI 250 少女が見た戦場、それから

 ――ジャングルの高空を突っ切っていくのは何も今に始まった感覚ではないが、僚機を伴わせての経験はあまりない。 『広世。現在、敵影は認められないが……。広世?』 「あ、ああ……うん。了解してるよ、フィリプス隊長。……けれど […]

レイカル53 1月 レイカルと年賀状

「カリクム! 準備はできたか?」 窓から飛び込んできたレイカルに、カリクムは目を見開く。「お前……窓から入って来るなよ、まったく……」「あらぁ、カリクム。そう言う割には準備万端じゃないのぉ」 ラクレスの囃し立てを受け、カ […]

JINKI 248 アンヘルの家事代行

「赤緒ー、こんくらいでいい?」 エルニィが窓を拭きながらそう尋ねてきたので、赤緒はしっかりと点検していた。「……駄目ですっ。まだ、埃が残っているじゃないですか。端っこのほう」「うえ……小姑みたいなことを言うなぁ、赤緒は。 […]

JINKI 245 アンヘルの太陽

「ねぇ、さーつきっ。雨はいつ降るのかなぁ?」 そんな益体のない言葉を吐いたエルニィに軒先でさつきは応じていた。「そうですねぇ……。ここ数日間は、晴れの予報ですけれど……」「えーっ! つまんないー! せっかく買ったのに、出 […]

レイカル 52 12月 レイカルと中二病

「……うー、寒っ。……あれ? レイカル、どうしたのよ、それ」  削里の店へと足を運んだ小夜は黒いコートを着込んでいるレイカルを発見する。 「ふふっ……知りたいか? 割佐美雷……」  その手には包帯が巻かれており、まさか、 […]