「と、いうわけで……入学式を始めたいと思うんだけれど……えーっと、赤緒。ここんとこ、分かる?」「えーっと……あ、まずは校長先生の挨拶とかじゃないんですかね?」
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JINKI 240 相応しい場所で
いつになく緊迫した様子で、居間に通された赤緒は南たちの顔色を窺っていた。「……お、お茶が入りましたよー……って」 南はどこか似つかわしくない赤縁の眼鏡をつけて、書類を整理している。 その鬼のような速さと的確さに目を奪わ […]
JINKI 207 黒の女と果ての月明かり
交渉事は苦手だ、と矢面に立たされれば困惑もする。 とは言え、ここで宿を取らなければもう一週間近く、根無し草を続けていることになるので、ユズは思い切っていた。 「その……お金ならあります」