次、次と促されるのも妙な気持ちでメルJは不服そうに抗弁を垂れる。 「……いいのだが、これが金になると言うのか?」 「任せてってば。まぁ、それに? 何よりもこういうのって案外需要があるから成り立つんだし」 「需要……ねぇ […]
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 316-8 想いと力と
【8】「想いと力と」 キリビトタイプが降りてきたことを、今でも明瞭に覚えている。吹き込む灼熱の風、一歩ずつ近づく死の足音。《ホワイト=ロンド》では勝てるはずもない。だと言うのに、よりにもよってこの時に動ける戦力は自分以 […]
JINKI 316-7 終局の時へ
【7】「終局の時へ」 朝方にサンドイッチを二つ。それがささやかな朝食であったが、エルニィの言葉を聞きつつ南は施設に接続された監視カメラを目にしていた。 視察があるのは午前十時過ぎのはず。それまで油断はできない。サンド […]
レイカル71 8月 夏の暑さと眩い被写体
何枚かパシャパシャと目の前でカメラを構えるナナ子の動作には洗練されたものがあり、さすがは大学でもオタクであることを全く隠さないだけはあると小夜は感心してしまう。 「よし! いただきました……!」
JINKI 316-6 エクステンドの子ら
【6】「エクステンドの子ら」 フロントに戻ったところで、勝世は月夜を仰ぐ。
JINKI 316-5 青い果実
【5】「青い果実」 リンゴの出どころはどこか、と訓練中に尋ねたことでサイラスは舌打ちしていた。 「……氷野の奴、あんたに会ったのか。あいつ、トチりやがって」
JINKI 316-4 白の城塞
【4】「白の城塞」 仕事内容の中にはカウンセリングもあると聞かされてはいたが、実のところ得意分野ではないのではないかという危惧はあった。 イケザキ主任の同席もあって、断るわけにもいかないまま勝世は早朝のスケジュールを […]
JINKI 316-3 硝子細工の悪夢
【3】「硝子細工の悪夢」 焼夷弾が火を噴き、銃弾の猛攻が人機の装甲を叩いていく。如何に堅牢な鎧に身を固めようとも、剥き出しの殺意相手には及び腰にならざるを得ない。 『聞こえているな、氷野……氷野顕! 前進しろ! お前の […]
JINKI 316-2 二人の少年
【2】「二人の少年」 「遅いぞ、氷野」 ここに居る血続の子供たちには共同部屋があてがわれており、車椅子を押して入って来た自分を認めるなり声が発せられる。
JINKI 316-1 虚飾の舞台
【1】「虚飾の舞台」 人機は精密部品の塊だと聞かされ、レクリエーションルームから望む格納庫を案内される。しかし、妙な取り合わせだと勝世は車椅子を押しながら考えを巡らせる。 片手を負傷してギプスを巻いている黒髪の少年は […]