【5】「破滅の雪花が降る」 ――アキラと名乗った関係者の女性は、メルJに関する仔細を語っていた。 それを医務室で聞き及んでいたのは自分とエルニィだ。 「……つまり……グリム協会の生み出した人造人間。それが君らだって? […]
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 255-4 復活のJ
【4】「復活のJ」 ――検閲を超えた、と仮定しても、相手が武器を持っていないとは限らない。 南はそう伝え聞いていたが、自衛隊の眼を掻い潜り、その上で敷地内に武器を持ち出すような相手が交渉人ではあまりにも迂闊だと判じて […]
JINKI 255-3 グリムの遺産
【3】「グリムの遺産」 「――それにしたって、小河原さん。いい酒持って来るじゃないの」 「まぁな。この間、黄坂の奴に頼まれていた護衛任務が思ったよか羽振りがよかったもんでたまにゃ贅沢も悪かねぇ」
JINKI 255-2 蠢動するモノたちへ
【2】「蠢動するモノたちへ」 『――二人とも準備はいい?』 エルニィの声に導かれて、赤緒は真正面に捉えた銀翼の機体と相対していた。
JINKI 255-1 地獄からの死者
【1】「地獄からの死者」 納得した覚えはない、と何度目か告げられてハマドは正直なところは辟易していた。 「……カリス。いい加減にしましょうよ。私だって、別に納得したわけではないんですから」 『けれどよ! 今回ばっかりは […]
JINKI 254 私達のスクールライフ
「いい? さつき。見つからないように静かにするのよ」「わ、分かってますけれど……。本当に大丈夫なんですか? その……」「何よ。文句あるの?」 ルイは黒いほっかむりを被り、息を潜めている。
JINKI 253 アルマジロのきもち
「今日の朝ご飯どうしよっかな……あれ? ヴァネットさん?」 「あ、ああ……赤緒か。どうしたんだ?」 「どうしたんだ、じゃないですよ……。そっちこそどうしたんです? こんな朝早くに……射撃訓練……はしてないですし」
JINKI 252 それぞれの戦場を、また
「それにしても、止みませんねぇ、雨」 そう言い置いた友次へと困惑気味にさつきは応じていた。 「ですねぇ……」
JINKI 251 語られない功労者たちへ
白波が砕ける。 海域を行くのは漆黒の艦艇であった。 《ビッグナナツー》甲板上にて、声が弾ける。 『《空神ナナツーウェイフライトタイプ》は発進位置に。こちらの権限を譲渡します』
JINKI 250 少女が見た戦場、それから
――ジャングルの高空を突っ切っていくのは何も今に始まった感覚ではないが、僚機を伴わせての経験はあまりない。 『広世。現在、敵影は認められないが……。広世?』 「あ、ああ……うん。了解してるよ、フィリプス隊長。……けれど […]