「えーっと……来客用の茶菓子はどこにやったっけ……? ねー、赤緒。あんた、食べれないものとかないわよね?」 棚を漁りながらこちらへと問いかけるジュリに、赤緒はすっかり縮こまって座布団の上でかしこまる。
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 276 赤緒のゲーム事情
「……おい、立花。こいつぁまずいんじゃねぇの?」 「うん、まずいね。それにしても意外と言うか、何と言うか。口酸っぱくして言っている本人がハマっちゃうんだもん。ミイラ取りが、とか言うんだっけ? こういう時にジャパンでは」 […]
JINKI 275 金魚鉢の彼女ら
「おい、何だこりゃ。神社にはおおよそ似つかわしくねぇもんがあると思ったら……」 両兵が指差した先にあったのは金魚鉢だ。 「ああ、それ? 何だか色々あってねぇ……ま、ボクにしてみれば珍しい魚だったもんだから、明日にでもつ […]
JINKI 274 マキちゃんと恋物語
緊急事態だと、そう言われて集ったのだから仔細な話を聞きたいと申し出たのはエルニィであった。 「なんてったって、赤緒とさつきが言い出したんだから……。それなりだと思っていんだろうね?」
JINKI 273 夏の訪れを待つ
「ねぇ、赤緒! これ! これにしようよ!」 「えーっと……ゼロの数が一個二個三個……って、駄目ですよ! 高過ぎますってば!」 値札を見るなり狼狽した赤緒にエルニィは唇を尖らせる。
JINKI 272 二人に必要なもの
自分自身を収斂させるイメージで、さつきは瞼を閉じていた。 『さつき、いいね? 《ナナツーライト》の最大出力で一極集中。Rフィールド発生器を全開にする。言っておくけれど、ここで手加減だとか言っている場合じゃないから。頼ん […]
JINKI 271 南のカンヅメ部屋
「あっちこっちガタが来てんなー。これ、一回マジに直したほうがいいんじゃねぇの?」 とんてんかんと木材に釘を打ち付け、両兵は文句を垂れていた。 「そんなこと言ったって、あんたが指揮して建てたんだから、それくらいは面倒看て […]
JINKI 270 埋蔵金より確かなもの
「おおっ……! 本当に開いた!」 柊神社の境内で一対のL字型の棒を振って、エルニィが声にする。 それに対し、ルイが冷ややかな目線を振り向けていた。
JINKI 269 アンヘルと野球
「赤緒さーん、かっ飛ばせー!」 南の声援を受けて、赤緒はよぉーし、とバットを構える。 しかし、どこか様になっていないのは相変わらずで、フォームを取ろうとしたところで僅かによろける。
JINKI 268 黒の女と希望の証
黒く染まった砂礫を舞い上げ、巨躯が激震する。 「こんの! 鬱陶しいったら……!」 上操主席でシバが声を上げる。