JINKI 195 私と映画を観に行って!

「うーん……あれがこれで……こうなって……」  夕食の席でどこか心ここに非ずと言った様子のエルニィへと、赤緒は尋ねていた。 「あの……どうしたんですか? 立花さん。何だか、帰って来てからずっと、こんな調子ですけれど……」

JINKI 193 夏空の思い出に

「ほらほら! 早く早く!」 「……急かさなくっても逃げはしないわよ」 「ふわぁ……あれ? こんな朝早くにお二人ともどこへ?」  欠伸を噛み殺した赤緒は早朝にもかかわらずどこかに出掛ける準備を整えているエルニィとルイを発見 […]

JINKI 192 アンヘルファッション合戦

「もうっ……立花さんってば放ったらかしにしてばっかり……片づけないと」  軒先から運ばれてくる風で寝転ぶエルニィに、赤緒はすっかり参った様子で片づけを始めていた。 「えっと……これは触っちゃ駄目だよね……立花さんのだし。 […]

JINKI 191 ライバルと言う関係

 タン、と足を弾ませたその時には、既に踏み込んでいる。  ルイの足並みはまるで流れるようにして、赤緒とさつきのガードをすり抜け、跳ね上がってダンクシュートを見舞っていた。  南が点数表を捲ってポイントを入れさせる。

JINKI 190 今宵、香りを纏って

 ふんふふーんと鼻歌混じりに《モリビト2号》のアイサイトを磨いていると、不意に声がかけられていた。 「青葉ー! こっちこっちー!」 「エルニィ? もう、どうしたのー? せっかくのお楽しみタイムだったのに……」

JINKI 189 絆の借用書

「それにしても……南さん、これじゃ片付かないですよ」  赤緒は南の持ってきた大仰な荷物の振り分けを手伝っていた。  思えば南の部屋に入るのは片手で数えるほどしかなく、どうして自分がその任を命じられたのかと言えば、今日は誰 […]

JINKI 188 眩しい季節を迎えて

 居間でルイが教材を広げているのを目にして、赤緒は思わず絶句する。 「る、ルイさんが……勉強……?」 「何よ、赤緒。私が勉強しちゃ悪いって言うの?」 「い、いえ、そんなことは決して……。でも、ルイさんが積極的に勉強するな […]

JINKI 187 ガール・オブ・リヴィジョン3

 展開した《バーゴイル》部隊に対し、なずなは《ナナツーシャドウ》のコックピット内で総数を視野に入れる。 「数は七……小隊編成ってところですかねぇ……それで私に勝てるとでも?」 『潜り込んできた側がよく言える。盗人猛々しい […]