レイカル 38 ハロウィン「レイカルとハロウィンの夜に」

「創主様! トリックオアトリートです!」

 大学から家に帰るなり魔女の衣装に身を包んだレイカルとラクレスに出迎えられ、作木は当惑する。

「えっとー……、どういう?」

レイカル37 10月ナナ子とダイエット

「涼しくなってきたわねー」

 小夜は秋風が吹き込むベランダでそう呟くなり、はぁとため息をつく。

「何だよ、小夜ってば、心配事でもあるのかよ」

 カリクムの質問に小夜は手を払っていた。

JINKI 197 まっさらな笑顔のままで

「あっ、もう立花さん。何やってるんですか。暇してるんならお掃除とか手伝ってくださいよ」

 赤緒が声をかけると、エルニィはしーっ、と言いやる。

「今にこれが完成するってところなんだから。ほら、あと一段で……」

「……トランプピラミッド作ってるだけじゃないですか。こんなの……」

JINKI 196 こんな星の夜にさえ

 ロストライフの戦場を駆け抜けるのに、肉体は想定以上に重石になる――それがはっきりと分かるのは、やはり生物全てを浄化せんとする黒い波動が空を満たしているからだろう。

 鋼鉄の人機のコックピットに守られている操主とは言え、それは同じであると感じたジュリは、《CO・シャパール》で反抗勢力の機体へと跳ね上がり、敵対する鹵獲された《バーゴイル》を撃墜せしめていた。

JINKI 195 私と映画を観に行って!

「うーん……あれがこれで……こうなって……」

 夕食の席でどこか心ここに非ずと言った様子のエルニィへと、赤緒は尋ねていた。

「あの……どうしたんですか? 立花さん。何だか、帰って来てからずっと、こんな調子ですけれど……」

JINKI 194 掌に思い出を

「あっれー……こっちに落ちたと思ったのになぁ……」

 テーブルの下を探していると、不意にノックされて青葉はそのままで応じる。

「はいー、入ってくださいー」

「おう、邪魔するぜ……って、何やってんだ、お前はよ」

JINKI 193 夏空の思い出に

「ほらほら! 早く早く!」

「……急かさなくっても逃げはしないわよ」

「ふわぁ……あれ? こんな朝早くにお二人ともどこへ?」

 欠伸を噛み殺した赤緒は早朝にもかかわらずどこかに出掛ける準備を整えているエルニィとルイを発見していた。

レイカル36 9月 カリクムとひと夏の別れ

「すっかり涼しくなってきたわねー、小夜」

 ベランダから洗濯物を取り込んだナナ子の言葉に、小夜はうーんと思い悩む。

「何よ。この世の不幸が一身に降り注いだみたいな煮え切らない顔しちゃってさ」

「……まぁ、今年も何だかんだで夏は過ごせたし? 別にいいんだけれどさー」

JINKI 192 アンヘルファッション合戦

「もうっ……立花さんってば放ったらかしにしてばっかり……片づけないと」

 軒先から運ばれてくる風で寝転ぶエルニィに、赤緒はすっかり参った様子で片づけを始めていた。

「えっと……これは触っちゃ駄目だよね……立花さんのだし。それにしても、色んなのあるなぁ……」

JINKI 191 ライバルと言う関係

 タン、と足を弾ませたその時には、既に踏み込んでいる。

 ルイの足並みはまるで流れるようにして、赤緒とさつきのガードをすり抜け、跳ね上がってダンクシュートを見舞っていた。

 南が点数表を捲ってポイントを入れさせる。