JINKI 278誰でもない私のために 『機体順応性は三十パーセント未満に設定。操主へのダメージフィードバックは二割以下に。内蔵血塊炉活性化開始。赤緒、オートマチックに順次対応し直してくれる?』 「は、はい……。えーっと、ここがメインカメラと連動していて……」 重たい音が響き渡り、システムが新型のRスーツに順応していく。 ページ: 1 2 3
レイカル 60 9月 カリクムと自由研究 「小夜ぉー、どうすればいいんだろう……」 カリクムの所在なさげな声に、小夜も同じように呻る。 「どうすればって……そりゃーあんた。自分のやりたいようにやればいいのよ」 「やりたいようにって……それが分かんないんだけれど……」 ページ: 1 2 3
JINKI 277 教師と生徒と 「えーっと……来客用の茶菓子はどこにやったっけ……? ねー、赤緒。あんた、食べれないものとかないわよね?」 棚を漁りながらこちらへと問いかけるジュリに、赤緒はすっかり縮こまって座布団の上でかしこまる。 ページ: 1 2 3
JINKI 276 赤緒のゲーム事情 「……おい、立花。こいつぁまずいんじゃねぇの?」 「うん、まずいね。それにしても意外と言うか、何と言うか。口酸っぱくして言っている本人がハマっちゃうんだもん。ミイラ取りが、とか言うんだっけ? こういう時にジャパンでは」 エルニィと両兵は台所からそっと居間を窺う。 ページ: 1 2 3
JINKI 275 金魚鉢の彼女ら 「おい、何だこりゃ。神社にはおおよそ似つかわしくねぇもんがあると思ったら……」 両兵が指差した先にあったのは金魚鉢だ。 「ああ、それ? 何だか色々あってねぇ……ま、ボクにしてみれば珍しい魚だったもんだから、明日にでもつまもうかなっと」 ページ: 1 2 3
JINKI 274 マキちゃんと恋物語 緊急事態だと、そう言われて集ったのだから仔細な話を聞きたいと申し出たのはエルニィであった。 「なんてったって、赤緒とさつきが言い出したんだから……。それなりだと思っていんだろうね?」 ページ: 1 2 3
JINKI 273 夏の訪れを待つ 「ねぇ、赤緒! これ! これにしようよ!」 「えーっと……ゼロの数が一個二個三個……って、駄目ですよ! 高過ぎますってば!」 値札を見るなり狼狽した赤緒にエルニィは唇を尖らせる。 ページ: 1 2 3
レイカル 59 8月 レイカルと猛暑日 「カリクム! そっちもっと扇げ! 全然涼しくならないぞー!」 レイカルが喚くのでカリクムは持っていたうちわを投げ捨てていた。 「何で……っ! 私がお前らを涼しくさせなくっちゃいけないんだ!」 「だってぇ……この暑さですもの。どうしようもないわぁ……」 ページ: 1 2 3
JINKI 272 二人に必要なもの 自分自身を収斂させるイメージで、さつきは瞼を閉じていた。 『さつき、いいね? 《ナナツーライト》の最大出力で一極集中。Rフィールド発生器を全開にする。言っておくけれど、ここで手加減だとか言っている場合じゃないから。頼んだよ』 「は、はい……」 ページ: 1 2 3