レイカル54 2月 レイカルとお腹いっぱいの季節を 「今日の修練じゃが、その前に言いたいことがある。……菓子を頬張りながら勉学とは感心せんのう……」 ヒヒイロの修行に対し、レイカルたちはめいめいに色調のあるチョコレートを口に放り込んでいた。 ページ: 1 2 3
JINKI 251 語られない功労者たちへ 白波が砕ける。 海域を行くのは漆黒の艦艇であった。 《ビッグナナツー》甲板上にて、声が弾ける。 『《空神ナナツーウェイフライトタイプ》は発進位置に。こちらの権限を譲渡します』 ページ: 1 2 3
JINKI 250 少女が見た戦場、それから ――ジャングルの高空を突っ切っていくのは何も今に始まった感覚ではないが、僚機を伴わせての経験はあまりない。 『広世。現在、敵影は認められないが……。広世?』 「あ、ああ……うん。了解してるよ、フィリプス隊長。……けれど、妙な話だよな。最近、多いんだって?」 ページ: 1 2 3
JINKI 249 質と量と努力と 『いいー? 両者、見合って見合ってー!』 「た、立花さん。お相撲じゃないんですから……」 『えっ、違うの? うーん、って言ったって、お相撲みたいなもんじゃんか』 当惑するエルニィに赤緒は言いやる。 ページ: 1 2 3
レイカル53 1月 レイカルと年賀状 「カリクム! 準備はできたか?」 窓から飛び込んできたレイカルに、カリクムは目を見開く。「お前……窓から入って来るなよ、まったく……」「あらぁ、カリクム。そう言う割には準備万端じゃないのぉ」 ラクレスの囃し立てを受け、カリクムは腕を組んで衣装に袖を通す。 ページ: 1 2 3
JINKI 248 アンヘルの家事代行 「赤緒ー、こんくらいでいい?」 エルニィが窓を拭きながらそう尋ねてきたので、赤緒はしっかりと点検していた。「……駄目ですっ。まだ、埃が残っているじゃないですか。端っこのほう」「うえ……小姑みたいなことを言うなぁ、赤緒は。ってか、いつもさつきと赤緒が掃除してるんだからいいじゃん」 ページ: 1 2 3
JINKI 247 ルイと入学式 「と、いうわけで……入学式を始めたいと思うんだけれど……えーっと、赤緒。ここんとこ、分かる?」「えーっと……あ、まずは校長先生の挨拶とかじゃないんですかね?」 ページ: 1 2 3 4
JINKI 246 ひとひらの思い出に 「さぁーて、これくらいでちょうどいいかしらね」 「あれ? 南さん、何を集めているんですか?」 汗を拭った様子の南とルイは格納庫裏で示し合わせたように何かを籠に寄せ集めている。 ページ: 1 2 3
JINKI 245 アンヘルの太陽 「ねぇ、さーつきっ。雨はいつ降るのかなぁ?」 そんな益体のない言葉を吐いたエルニィに軒先でさつきは応じていた。「そうですねぇ……。ここ数日間は、晴れの予報ですけれど……」「えーっ! つまんないー! せっかく買ったのに、出番なしじゃんかぁ!」 ページ: 1 2 3