「創主様! 今回はあの割佐美雷にお返しを喰らわせてやるんですよね!」
未だに冬服は手離せず、コートの内ポッケから威勢よく口にしたレイカルに、作木は気圧される。
「ま、まぁ合っているけれど……何だかそれだと暴力みたいだな……」
街に駆り出してみたのはホワイトデーのお返しを見繕うためであったが、どうにも全体的に落ち着かない。この季節は何だったか、と探っているとそこいらで入れ違いになるのはそろそろ卒業の頃合いの中高生たちで、思えば受験生ならば春休みに入っていてもおかしくないはない時期なのだと思い返す。
「……そっか。出会いと別れの……その手前の季節なんだ」
ならば納得する。誰しも次の出会いのためにどこか焦燥感を覚えながらやりくりをするのだ。自分も苦学生を気取ってはいるが、収入金額的には確定申告を行わなければならず、ただでさえ少ない稼ぎを明文化されるのであまり好ましくはない。
「参ったなぁ……。ワンフェスの稼ぎなんて一発限りなのに……やらないと駄目なことばっかりで……」
「創主様っ! あっちにチョコレートの専門店がありましたっ!」
レイカルが指差す先には高級志向のチョコレート店舗が軒を連ねており、とてもではないが手が出ない価格に目が飛び出す。
「こ、こんなに高いんだ……? ホワイトデーって言っても、難しくなっていくばっかりだなぁ」
「ですが、割佐美雷とナナ子にお返しを喰らわせてやらねばなりません。あと、ウリカルやラクレスにヒヒイロも。それに創主様はヒミコからも貰っていましたよね?」
通常ならばこれだけ華やかな面子にチョコレートを貰っていれば多少なりとも鼻高々なのだろうが、自分にとっては地獄に等しい。なにせ、貰った分はほぼイーブンで返さなければならない。ここ最近では聞かなくなったがホワイトデーはバレンタインチョコの三倍返しという名の謎の風習もある。
「……まぁ、小夜さんたちは分かるけれど高杉先生もなぁ……。充分貰っているだろうから、僕なんかが返す必要性もなさそうだけれど……」
とは言え、外すのも気が引けるので作木は高級な革製品の店へと入る。ゆったりとした音楽がかかっており、店員の腕にはめられているのは当たり前のように高級腕時計だ。
「……委縮しちゃうなぁ。けれど、こういうところで高杉先生はお返しを貰うんだろうし……。小夜さんも、ナナ子さんからも貰っておいて、じゃあ今年はお返しが思いつきませんでした、じゃ怒られちゃうだろうし」
普段の自分なら暖房代をケチるためでも絶対に入らないような店なので、背中に嫌な汗を掻いてしまう。店員の視線が矢のように突き刺さり、とてもではないが物色の時間的猶予はない。
早めに決めて早めに出なければと思って急く眼差しを周囲に配るが、どこからどう見ても不審者なので、ここは落ち着き払ったほうがいいと自らに言い聞かせようとして、飛び込んでくる値段の数々に目を瞠る。
「……高っ……! このハンカチだけで、僕の家賃三か月分くらいの……」
思わず漏れてしまった本音でなおさら店員の視線が厳しくなったのを感じる。いけない、と思う前ににこやかに呼びかけてきた若い店員の営業スマイルに作木は射すくめられていた。
「いらっしゃいませ。お決めになられましたか?」
「あっ、その……あぅ……いえその……」
「そのハンカチはフランス製で。職人が一枚ずつ手縫いのこだわりを持っておりまして」
ペラペラと商売口上が述べられるが、どれもこれも自分にとってはまるで奇妙な魔術のような文言ばかりで作木の脳内はショートしてしまう。
「あっ、その……えっと……」
「お返しを喰らわせてやるんだ!」
不意打ち気味に胸ポケットのレイカルが叫ぶものだから、作木は硬直してしまう。店員は自分が返答したと思ったのか、笑顔を崩さずに応対する。
「ホワイトデーのお返しを選ばれるのなら、こちらにちょうどいいお値段のものがありますよ」
ちょうどいいお値段、と評されたがどれもこれもゼロが一個多いのではないかと思うほどの金額で作木は眩暈に襲われる。
「あの……その……」
あわあわとしていると、先輩と思しき店員が若い店員を呼びつける。
「おい……あんな見るからにしんどそうな大学生に売りつけるんじゃないよ」
「えー……でもこの店に来るってことはそういうことですよね?」
「馬鹿! もっとリーズナブルなところに行きそうだろうが。……いい感じに応対して最低額でもまぁまぁの品を売りつけて来い」
困ったことにハウルの耳飾りをつけているせいで小声のはずの裏話が全部聞こえてしまっている。そんな風に見られていたのか、と作木はしゅんとしながらもこの店から出る好機を逸したのだと感じ取っていた。
「困ったなぁ……ここで足止め食らってたら、何一つお返しを買えないまま終わりそうで……」
どうするべきか、と決めあぐねていたところで唐突に見知った声が耳朶を打つ。
「こちらの品は、どこで製造されていますか」
「……あれ? 懿君……?」
懿が店の奥のほうで店員相手に丁寧なやり取りを交わす。
「イタリアの製品でございます。職人が一枚一枚手縫いで……」
「ではこちらを貰いましょうか。支払いはカードで」
懿がすっと慣れた様子で取り出したのはブラックカードで、作木は見るのも初めてなその煌めいた代物に唖然とする。
「……本当に黒いカードって持っている人居たんだ……」
「……あれ? 作木さん?」
「わっ……バレちゃった……」
別に居るからと言って都合が悪いわけではないのだが、こういう時に限って見つかってしまう自分のウドの大木の様に辟易してしまう。
「どうしたんです? こんなところで偶然なんて」
「いや、その……懿君こそ……。何で?」
「ここは摺柴財閥でもよく使っていたお店でして」
「摺柴様にはごひいきにしていただいておりますので」
自分への接客態度とはまるで正反対な店員の対応に、やはり客を見るのかと作木は肩を落とす。
「……やっぱり僕なんかには合わないよね……」
「何を言ってるんです。作木さんは大学生でしょう? ……あっ、そう言えば、もしかしてホワイトデーの?」
「あっ、うん。当たり……。何かないかなぁって探していたところなんだけれど……」
「よければちょうどいいものをお互いに探しませんか? おれもおとぎさんやヒミコさんにもお返しをしなければと思っていましたので」
「あ、いや……お互いに……はちょっと……」
懿が心底不思議そうに首を傾げる。
懿のようにスマートにカードで支払いなんて、逆立ちしたってできそうにないのにお互いにお返しの品を探せばそれだけ差が浮き彫りになってしまいそうであった。
それを察したのか、懿はなるほどとぽんと手を打つ。
「では、別の店に切り替えましょうか。さっきの品は、当日までにラッピングしてください」
愛想よくしながら懿と共に何とか命からがら高級店から抜け出すことに成功する。外に出た途端、これまで呼吸を我慢していたかのようにぜいぜいと息を切らしていた。
正直、ベイルハルコンと遭遇したくらい生きた心地がしなかったのもある。
「た……! 助かったぁ……!」
「あまり接客はしつこいほうではないはずなんですが……馴染みの店ですし、悪い場所じゃないんですけれどね。作木さんには慣れないのかなと思いまして」
「何とかなってよかったよ……。買わずに帰るのは無理だと諦めていたくらいだし……」
「ですけれど、作木さん、ホワイトデーのお返し選びですよね? ……うぅーん、そうなるとどうしましょう? さっきのお店、あの振る舞いでもかなりリーズナブルなほうなのですが」
「あれでリーズナブル……?」
戸惑いの声が思わず震える。自分の見間違いでなければ、想定していた予算の数十倍は下らないはずだ。
「まぁ、お店を探しましょう。大丈夫! おれもホワイトデーのお返し選びにお付き合いしますので」
「……でも、あまり安いとその……失望しないかな……?」
小夜とナナ子の眼よりも、同性であるところの懿に失望されるのがこの場では一番辛いところであったが、懿はそんな懸念など何のそのとでも言うように胸を叩く。
「大丈夫ですって。作木さんはその強さを誇っても貶されることなんて絶対にないんですから!」
「……強いのはレイカルであって、僕じゃないって言うか……」
「何を仰います。無限ハウルの使い手、創主としても立派なはずだと、先生も言っていらっしゃいましたよ?」
「……水刃様が? それは……ちょっと想定外ではあるけれど……」
意外に水刃は見えないところでは他人を慮れる精神性なのだろう。百年以上を生きているのだ。それなりに人界の処世術は身に着いていると思うべきか。
「じゃあ、ちょっとアプローチを変えましょうか。金額的にはちょっと違いますけれど、何も贈り物は形が残るものばかりではないので」
そう言って懿が平然と高級チョコレート店に入ろうとしたので、作木は大慌てで止める。
「待って! 待ってってば! ……まだ高いよ……」
「おや、そうですか? ……じゃあ、三軒隣の……」
懿が不服そうに指差したのは流行りのチョコレートの店舗であり、だいぶグレードは下がるが作木にとってはそれでも精一杯だ。
「う、うん……。それくらいがちょうどいいかな……」
「しかし……逆におれには分かりません……。流行りとかには疎いもので……」
懿は飾られた色とりどりのチョコレートに対し、どうにも納得いかないように首を傾げている。作木はその所作に尋ね返す。
「……あれ? でも高杉神社だってテレビくらいは……」
「元々、テレビとかはあまり観ないので……」
「ネットは……」
「水刃様がお嫌いですので、あまり……」
となると、懿はこの現代社会でまるで修行僧のような生き方をしているのではないかと思えてくる。それはまださほど年かさを重ねていない懿にとってはある意味では毒ともなるだろう。
「……そうなると……あ、でも僕も教えられることは少ないや。雑誌とかも大学で読む限りだし、ファッションとかも全然……」
「そうなんですか? 作木さん、編森さんや乾さんと同じ大学なんですよね? いいなぁ。おれもできることなら同じ大学に通いたいんですが……」
「……懿君はおとぎさんのサポートもあるもんね」
眼が見えるようになったとは言え社会的なサポートは続けなければいけないはずだ。懿はその言葉に頭を振る。
「いえ、おれにできることはせいぜい……それくらいなものですし。それに学びはあるんですよ? おれ自身……あまり普通の学校とかには通わせてはもらえなかったので」
見え隠れするのは摺柴財閥の代表であったと言う肩書であろう。確かに実社会においての過ぎたる地位はある意味では周りを傷つけ牽制する棘となる。きっと懿はそれを嫌と言うほど経験してきたのだろう。
ここは深く詮索しないほうがいいに違いないと、作木は言葉を仕舞う。
「……ってあれ? どこかで見た影が……」
ああでもないこうでもないとチョコレートを物色するその後ろ姿、特徴的な鳥頭に作木は思わず足を止める。
「むぅ……やっぱり素材はこれくらいの強度がいいよな。そうしたら、デコレーションはこいつを……」
「伽……真一郎……?」
どこか気圧されたように懿が口走ったことで、伽がこちらに気づいて振り返る。
「……って、何だよ。作木の坊ちゃんに確か……摺柴財閥の」
「いや、何だって言うのはこっちの台詞で……。伽さん、どうして?」
「いやな? オレもさすがにお返しを探していて……その道中ってこった。今回はどうやってナナ子を喜ばせてやろうかと考えていたところで……って、レイカルを連れてるのかよ」
「むっ、何で分かったんだ?」
内ポケットからひょっこりと顔を出したレイカルが伽を睨むが、彼はそれを何でもないように手を振る。
「ハウルが丸見えだ。……ったく、オレがまだ敵じゃないからよかったな。作木の坊ちゃんもハウル秘匿術は会得しておいたほうがいいぜ。水刃様の目を誤魔化すこともできるし、そうじゃなくったって無限ハウルなんだろ? 余剰ハウルは敵に察知されやすいからよ」
「あ、それはまぁありがたく……」
「ではなく。伽真一郎……さんは、確か水刃様に買い出しを頼まれていましたよね?」
辛うじて敬語を取り戻したが警戒心は隠せないようで懿の敵意剥き出しの発言に、伽はげんなりとした様子で応じる。
「水刃のジィさんに頼まれていたことはちゃんとやるっての。これだから優等生は……まぁ、そのついでにな。ホワイトデーのお返しの準備だよ。オレみたいなのにもナナ子とおとぎちゃんはくれたしな。……そういや、ヒミコの奴もくれたっけか。あいつにも返してやるか」
「返してやるかって……でも、買っているのは……」
作木が伽の買い物籠を垣間見る。入っているのは基礎的なチョコレートで質より量と言った具合なのはどういうことなのだろうと視線で探っていると、伽は何でもないように応じる。
「おいおい、創主なんだからこれくらい作ることができなくってどうするよ。安いチョコレートを大量に買って、それで一人一人きちんとまごころを込めて手作りする、当然の心得だろうが」
「まごころを……」
まるで伽には似つかわしくない言葉に茫然としていると、それを目聡く察して彼は目線をきつくする。
「……今、オレみたいなのが言うのは変だとか思っただろ?」
「あ、いえ……すいません、本音はそうで……」
誤魔化したところで仕方ないと諦めると、伽は心底不愉快だとでも言うように鼻を鳴らす。
「……ま、イメージは分かるぜ? けれど、昔っからこういうのは自分で作ったほうが手早いからよ。既製品に頼るようじゃ、まだまだ三流だな」
そう言えば確かに伽は一瞬にしてダウンオリハルコンを数十体レベルで創り上げてみせるほどの技量自体はあるのだ。手先は器用なのだろう。
「……じゃあ、あの……ちょっとだけ、頼みがあるんですが」
「ん? ……って、思えば作木の坊ちゃんと摺柴財閥のボンボンが同時に居るのなんて変だとは思ったんだ。大方、厄介ごとにでも巻き込まれたんだろうが、何だよ。事情次第だとは言わせてもらうが……」
「いえ、その……せっかくですし、僕も協力させてもらえませんかね。そういえば材料から作るって思い浮かばなかったなぁってなっちゃいまして」
「作木さん、まさか伽真一郎さんに教えを乞うんですか?」
意外そうに反論した懿に、作木は後頭部を掻きながら頷く。
「……うん。駄目かな?」
「……伽真一郎さんは……一度ラクレスの国家転覆に手を貸したんですよ? それを……!」
「何だ、今さらのことを突っ込んでくるんじゃねぇか。そっちこそ、ギリギリまでエルゴナに手を貸していたことを帳消しとは言わせねぇぜ」
「それは……」
いけない。このままでは一触即発だと、作木が割って入る。
「まぁまぁ! ……ホワイトデーくらいはその、いがみ合いはなしにしませんか? 僕も教えてもらう側ですし、懿君にもお世話になっちゃってて……」
「そんな! 作木さんが頭を下げることなんてないですよ!」
「その点に関してで言えば、オレも一家言あるぜ? 確かに作木の坊ちゃんが頭を下げる話でもねぇわな。摺柴財閥のボンボンとオレとの問題なんだからよ」
「それはこっちの台詞で……!」
「いいから! ……この季節くらいはこれまでのわだかまりとかなしにしません? 僕の顔を立てて……とかじゃないですけれど」
微笑んで二人を仲裁すると懿がどこか納得いっていないようにしながらも、対抗心を取り下げる。
「……作木さんがそう言うのなら……」
「可愛くねぇ奴でやんの。まぁ、いいぜ。この後、オレの工房に来いよ。道案内くらいはできるよな?」
「当然ですよ……タクシー!」
タクシーをスマートに呼び止めた懿の慣れた仕草に作木は戸惑いつつも、チョコレートを大量に購入した伽へと問いかける。
「……その、水刃様のところで一緒なんですよね? 工房って……」
「ま、プライベート空間って奴だな。ちょうどいい、オリハルコンの創主の工房ってもんをいっぺんは見ておけよ」
伽の気のいい声に、作木はどこかうろたえたように気圧されて頷くばかりであった。
――案内されたのは高杉神社の裏山に位置するログハウスで、思ったよりも壮観な見た目に作木は感嘆する。
「すごい……大自然のログハウスだ……! これ、自分でですか?」
「基礎はあったんだよ。古い山小屋を改装したんだ。高杉神社で元は住まわせてもらっていたんだが、いっぺん水刃様の目を盗んで出ちまったもんだからしばらくは敷居を跨がせん! とのことでな。仕方なしにここを工房に使ってる」
「けれど……思ったよりも本格派って言うか……」
入るなり伽は暖炉に薪をくべ、火を点けてから作業に入る。全体としては削里の店構えに近い。やはり同じ師を持つために設計思想自体は似通っているのだろうか。
「つーか、作木の坊ちゃんは工房とか持たねぇのか? オリオンの連中から金を融通してもらっても余っているくらいだろ?」
「あ、いえ……。僕は基本的には仕送りと自分のフィギュア造形だけで生計を立てていて……。お陰で今月もピンチでして……」
「……マジか。元々もやしっ子なんだからメシだけは食えよな。つっても、オレも大したことは言えんが……。さて、じゃあおっ始めるかぁ……」
暖房設備が充分に効いてきたのを確認してから、伽は買い揃えた数多い種類のチョコレートをキッチンに並べる。
「……懿君、キッチンに来ないと作れないよ」
「……作木さんはよく平気ですね。この男は裏切り裏切られを繰り返しているんですよ?」
「……水刃様から散々、オレの嫌なエピソード聞いてんだろ。そりゃー、毛嫌いもするわな」
それでも伽のほうが今回は大人なのか、懿の憮然とした態度には関わらずにチョコレートを湯煎していく。
「けれど、意外でしたね……。伽さん、チョコレートとか作れるなんて……」
「昔っからな。師匠は方向音痴の上に味オンチ! 削里の野郎は今と大して変わらねぇ、ものぐさな上に懐古趣味と来れば、自然とこういう役割はオレに回って来るもんなんだよ。いいチョコレートの素材自体は手に入ったからな。こういうところが東京はいいもんだ」
あの店で出会ったその時には色んな店を回った後のようで、鞄いっぱいに詰め込まれたチョコレートを目にしてレイカルが飛び込もうとする。
「チョコレート!」
「おっと! ……作木、その節操のねぇオリハルコンを見ておけ。まったく、ちょっと目を離せば齧り付きかねねぇなんてネズミか何かかよ……」
「何をぅ! チョコレートを貰って何が悪いんだ!」
「れ、レイカル! 今回は作る側なんだから。とりあえず伽さんの言うことには従おう」
「……創主様がそうおっしゃるのなら……別にいいのですが……。そこの奴は手伝わないのか?」
レイカルの純粋さがここで伽に手を貸すのを拒んでいる懿を直撃し、彼は思わずと言った具合に絶句する。
「そ、それは……」
「ま、こういうのは好きな奴が率先してやるもんだからな。クリームとかも冷やしておいたろ? 手伝う気がないんならオーブンの温度を見ておいてくれ」
「……て、手伝わないとは言ってないでしょう……」