JINKI 338 ここに居る自分とあなたへ カナイマアンヘルの倉庫はあらゆる試作品でごった返しており、広世にしてみれば馴染みの薄いものも多い。 「なぁ、古屋谷さん。これって、何なんだ?」 「あー、それね。石傘さんが造った人機専用のフライトシステムの試作品なんだ」 ページ: 1 2 3
JINKI 337 スキャンダル・ハリケーン 「ちょ、ちょっと立花さん……。押し過ぎ……」 「だってー、しょーがないじゃん。ほら、バレちゃうから静かにしないと」 唇の前で指を立てたエルニィに赤緒は呆れ返りつつも再び視線を振り向けようとして、真正面を遮られた無頼漢の顔に驚愕の声を上げて尻餅をつく。 ページ: 1 2 3
レイカル76 1月 レイカルと一年の抱負 「これと、これと……あとこれを」 文具屋で買い付けた一式を買い物袋に入れて、作木は年明けの冷たい風が吹き抜けていく都市部を踏み歩く。まだ年が明けて二日目――そのせいか開いている文具屋を探すのも一苦労であったが、凍える呼吸を発しながらそれにしても、と街頭モニターに映し出されている本日のニュースに目をやる。 ページ: 1 2 3
JINKI 336 魂の故郷を求めて 声が出てしまうのは、それを予期していなかったからか。あるいは、ある程度理解していても、やはりまだその時が訪れることへの認識が足りていなかったのかもしれない。 爆ぜる。 ページ: 1 2 3
JINKI 334 ほっぺたにまるっ! 「次はこれ書いて……そんでもって次はこれね」 次々と差し出されていく答案用紙を前にして赤緒は完全に過労状態で赤ペンを走らせながらうっ、と戸惑う。 「あ、あのー……ジュリ先生……?」 ページ: 1 2 3
JINKI 333 愛と友情も薄明の朝陽に ずーんと沈痛に顔を伏せたマキに対して、赤緒はお茶を注ぎながらそろそろ限界か、と悟っていた。 「マキちゃん? そろそろ休憩する?」 「ま、まだ……っ! まだ頑張らないとぉ……締め切りに間に合わないんだから……!」 ページ: 1 2 3
JINKI 332 インターネットはたいへんだ 「な、なぁ……秋ぃ……。そろそろ休んだほうがいいんじゃないのか? ほら、ずっと張り詰めたってしょうがないんだし」 「そ、そうだよ! シールちゃんの言う通りって言うかさ……。秋ちゃんも、ね……?」 ページ: 1 2 3
レイカル75 12月 レイカルとサプライズサンタ サンタクロースと言うものを意識し始めたのは、恐らくは幼稚園時代であったと思うのだが、その頃から子供に似つかわしくない達観があったような気もするのだ。 だからこそ、夢を与える側になってからの立ち振る舞いには気を付けなければいけないと、小夜は『銃光戦隊トリガーV』の担当マネージャーから連絡を受けていた。 ページ: 1 2 3
JINKI 331 数センチの歩み寄りを 脈拍が加速するのは、いつもこういった感覚に身を委ねているからだけではない。 武器を取れば、自ずと。それでいて己の中に深く潜る。心象風景はいつも凪いでいる。青く、広大な海原。それとは相反する赤く燃え盛る空。どちらもが自分をいつだって板挟みにするのだ、とメルJは《バーゴイルミラージュ》のアームレイカーを握り締める。 ページ: 1 2 3