JINKI 340-9 現実尺のスケール

【9】「現実尺のスケール」

「定刻通りに物事は進む。素晴らしいことです」

 そう応じてにこやかにモニターへと視線を振り向けた目の前の相手に、少しばかりの憎悪を浮かべてやると、こちらの顔色を察してかパチンと指を鳴らす。

JINKI 340-8 ただ見据える神の座を

【8】「ただ見据える神の座を」

「こっちっす! 《ヴェロニカ》のメンテナンスは急ピッチで!」

 基地へと帰還を果たすなり、次の任務が命令されたのだとサイラスは聞かされてコックピットブロックから這い出る。

「……グレンデル隊に引き続いて……?」

JINKI 340-7 戦場での再会

【7】「戦場での再会」

 声がかかったのを、認識していなかったわけではない。無論、彼が自分の身を案じていることも。しかし、今の自分はグレンデル隊の戦闘単位。兵士であるのならば、より優れた側へと自身を振り向け、そして与えられた任務は達成するべき。

JINKI 340-5 ガンダルヴァの沓

【5】「ガンダルヴァの(くつ)

 隔離された状態と言うのは、やはり施設での生活を思い起こさせる。如何に自由が保障されているとは言え、それでも似たようなものだ。顕は車椅子を自力で動かし、キョムの居城であるシャンデリア内を行く。

JINKI 340-4 向い来る脅威

【4】「向かい来る脅威」

 会合はほんの二時間ほどの、ささやかなものである、と予め伝えられていたものの、それでも勝世は戸惑いを浮かべていた。仕立てのいい赤のスーツを着込み、それから視線を振り向けたのを、南は感じて頷く。

JINKI 340-3 距離と感覚

【3】「距離と感覚」

「あら? メンテナンスとは殊勝ねぇ」

《ヴェロニカ》のコックピットで調整を行っていたサイラスへとイヴが語りかけてくる。

「そっちこそ。《ヴァルキュリアトウジャ》の調整は終わったのか?」

JINKI 340-2 未だ届かぬ身

【2】「未だ届かぬ身」

 ――ぜいぜいと息を切らす。

 ここまでの戦闘意識と、今、肉体に収まっている己との差が浮き彫りになっていた。曖昧な自己を一体化させるまでのこの時間は何度味わっても慣れない。顕は指先で首筋を撫でる。

レイカル77 2月レイカルと戦友(とも)チョコ

「じゃあ、勝負の形式は一本勝負。先にダウンしたほうの負けね」

 ナナ子が取り仕切るのを、小夜は視線を振り向ける。

「(いいけれどさ……これって意味ないんじゃない?)」