JINKI 341 南のおしるこモラトリアム

「……よし。目視にて確認。微速前進、よーそろー」 「……あのよ、黄坂。オレが言うことでもねぇんだろうが、今の季節に必要か?」 「何言ってんのよ、両。ここまで来ておいて逃げるなんて許さないわよ」

JINKI 340-9 現実尺のスケール

【9】「現実尺のスケール」 「定刻通りに物事は進む。素晴らしいことです」  そう応じてにこやかにモニターへと視線を振り向けた目の前の相手に、少しばかりの憎悪を浮かべてやると、こちらの顔色を察してかパチンと指を鳴らす。

JINKI 340-8 ただ見据える神の座を

【8】「ただ見据える神の座を」 「こっちっす! 《ヴェロニカ》のメンテナンスは急ピッチで!」  基地へと帰還を果たすなり、次の任務が命令されたのだとサイラスは聞かされてコックピットブロックから這い出る。 「……グレンデル […]

JINKI 340-7 戦場での再会

【7】「戦場での再会」  声がかかったのを、認識していなかったわけではない。無論、彼が自分の身を案じていることも。しかし、今の自分はグレンデル隊の戦闘単位。兵士であるのならば、より優れた側へと自身を振り向け、そして与えら […]

JINKI 340-5 ガンダルヴァの沓

【5】「ガンダルヴァの沓(くつ)」  隔離された状態と言うのは、やはり施設での生活を思い起こさせる。如何に自由が保障されているとは言え、それでも似たようなものだ。顕は車椅子を自力で動かし、キョムの居城であるシャンデリア内 […]

JINKI 340-4 向い来る脅威

【4】「向かい来る脅威」  会合はほんの二時間ほどの、ささやかなものである、と予め伝えられていたものの、それでも勝世は戸惑いを浮かべていた。仕立てのいい赤のスーツを着込み、それから視線を振り向けたのを、南は感じて頷く。