「おう、黄坂。いい酒入ったぜ。久しぶりにどうよ」 酒瓶を振って軒先へと向かってきた両兵に、湯飲みを覗き込んでいた南は呆れ返ったようであった。 その模様を赤緒は洗濯物を干しながら眺める。
投稿者アーカイブ:綱島志朗公式サイト管理人
JINKI 233 いい操主であること
「青葉ー。ちょっとそこんところのシステムの洗い出しするから、一旦モリビトから降りてくんない? 操主ありだと、ちょっとややこしいんだよね」 エルニィの声を受け、青葉は下操主席のシートベルトを外していた。 「あ、うん……。 […]
レイカル 49 9月 レイカルと衣替え
宵闇を駆け抜けるのは、何も慣れたものでもなく。 ただ、最初のほうよりかは少しだけこの戦闘にも掴めてきた――と、作木は小夜のバイクの後部に跨って声にする。 「レイカル! 敵は三体……! ダウンオリハルコンだ……!」
JINKI 232 ヒミツの物語の続きを
「さつき、今日は自称天才の奢りで渋谷に行くわよ」 帰り支度を進めていると、ルイがそう急かして来たので、さつきは当惑する。 「る、ルイさんっ! 駄目ですよ、買い食いは校則違反で……」
JINKI 231 二人だけの島で
「それにしたってよ……流れ流れて、にしちゃあ、もっとやりようはあったんじゃねぇの?」 ぼやいた両兵に対し、エルニィは《ブロッケントウジャ》の電算パーツを組み上げていた。 「文句言わないでよ。ボクだってこうなるなんて想定 […]
JINKI 230 交差する道も
翻った黒い翼を、一機、また一機と撃墜していく。 漆黒の機影は大地を踏みしだき、袖口に仕込んでいたワイヤー装備で空を舞う《バーゴイル》を叩き落としていた。 「逃がさ……ない!」 アンカーが《バーゴイル》の飛翔を妨げ、 […]
JINKI 229 覚悟を振るうということ
「お疲れ様、青葉さん。モリビトの整備はしておくから、今日はもう休むといいよ」 川本の言葉に青葉は頷き、《モリビト2号》の最終点検を行う。 「いえ、でも一応……もうちょっと乗っておきたいかなぁ……って。迷惑ですかね?」
レイカル 48 8月 ウリカルと水刃の残暑見舞い
「それにしたって、どういう風の吹き回しなのかしらねー。水刃のジジィがこの時期に呼んでくるなんて」 サイドカーに乗り込んだナナ子のぼやきに、小夜はうーんと呻っていた。 「そうねぇ……水刃様が私たちを改まって呼びたいなんて […]
JINKI 228 優しく頬に触れて
「もうっ、立花さんってば……また通販で買い物して……」 段ボールだらけの居間を掃除しようとして、赤緒は掃除機を持ち出していた。 「買うんだったら最後まできっちりしないと。海外からの荷物も来るんだからなぁ……」
JINKI 227 声、雨空を抜けて
「……雨、やまねーな」 まさか行きがけで通り雨に降られるとは思いも寄らない。 シールはじめっとした空気を肺の中に取り込んでから、大きくため息をついていた。