JINKI 338 ここに居る自分とあなたへ

 カナイマアンヘルの倉庫はあらゆる試作品でごった返しており、広世にしてみれば馴染みの薄いものも多い。 「なぁ、古屋谷さん。これって、何なんだ?」 「あー、それね。石傘さんが造った人機専用のフライトシステムの試作品なんだ」

JINKI 337 スキャンダル・ハリケーン

「ちょ、ちょっと立花さん……。押し過ぎ……」 「だってー、しょーがないじゃん。ほら、バレちゃうから静かにしないと」  唇の前で指を立てたエルニィに赤緒は呆れ返りつつも再び視線を振り向けようとして、真正面を遮られた無頼漢の […]

JINKI 333 愛と友情も薄明の朝陽に

 ずーんと沈痛に顔を伏せたマキに対して、赤緒はお茶を注ぎながらそろそろ限界か、と悟っていた。 「マキちゃん? そろそろ休憩する?」 「ま、まだ……っ! まだ頑張らないとぉ……締め切りに間に合わないんだから……!」

JINKI 332 インターネットはたいへんだ

「な、なぁ……秋ぃ……。そろそろ休んだほうがいいんじゃないのか? ほら、ずっと張り詰めたってしょうがないんだし」 「そ、そうだよ! シールちゃんの言う通りって言うかさ……。秋ちゃんも、ね……?」

JINKI 331 数センチの歩み寄りを

 脈拍が加速するのは、いつもこういった感覚に身を委ねているからだけではない。  武器を取れば、自ずと。それでいて己の中に深く潜る。心象風景はいつも凪いでいる。青く、広大な海原。それとは相反する赤く燃え盛る空。どちらもが自 […]

JINKI 330 いつか虹色の微笑みのために

「で、こっちにあるってコネ宮は言いたいわけね」 「それは……ルイ先輩ほどの方に意見はできないところもありますけれど……」  ルイと金枝が揃って渋面を突き合わせるので、さつきはおずおずと挙手して意見する。