「それにしたってよ……流れ流れて、にしちゃあ、もっとやりようはあったんじゃねぇの?」 ぼやいた両兵に対し、エルニィは《ブロッケントウジャ》の電算パーツを組み上げていた。 「文句言わないでよ。ボクだってこうなるなんて想定 […]
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 230 交差する道も
翻った黒い翼を、一機、また一機と撃墜していく。 漆黒の機影は大地を踏みしだき、袖口に仕込んでいたワイヤー装備で空を舞う《バーゴイル》を叩き落としていた。 「逃がさ……ない!」 アンカーが《バーゴイル》の飛翔を妨げ、 […]
JINKI 229 覚悟を振るうということ
「お疲れ様、青葉さん。モリビトの整備はしておくから、今日はもう休むといいよ」 川本の言葉に青葉は頷き、《モリビト2号》の最終点検を行う。 「いえ、でも一応……もうちょっと乗っておきたいかなぁ……って。迷惑ですかね?」
JINKI 228 優しく頬に触れて
「もうっ、立花さんってば……また通販で買い物して……」 段ボールだらけの居間を掃除しようとして、赤緒は掃除機を持ち出していた。 「買うんだったら最後まできっちりしないと。海外からの荷物も来るんだからなぁ……」
JINKI 227 声、雨空を抜けて
「……雨、やまねーな」 まさか行きがけで通り雨に降られるとは思いも寄らない。 シールはじめっとした空気を肺の中に取り込んでから、大きくため息をついていた。
JINKI 226 大事な今のために
「それで、人数は揃っているわね?」 問い返した南へと、ルイとメルJが応じる。 「ええ、それは一応」
JINKI 225 可能性のひとしずく
「立花、この……“タコヤキ”とやらは何なんだ? 食えるものなのか?」 出店で売られているたこ焼きへと視線を据えたままのメルJへと、エルニィは戸惑いながら応じていた。 「あ、そう言えばそっちにはたこ焼きの文化なかったっけ […]
JINKI 224 機械たちのまどろみ
唐突に目覚めたいやに醒めた意識に、周囲を見渡す。 暗く凝った世界の片隅で、彼は意識を伸ばしていた。 『……ここは……』
JINKI 223 アルマジロな御朱印
「おっ、さつきじゃねぇか。何やって……本当に何やってンだ? ここ、普段の買い出しに来ないコーナーじゃねぇか」 両兵が問いかけると、買い物袋を提げたさつきは少し当惑したようであった。 「あっ、お兄ちゃん。……その、ちょっ […]
JINKI 222 譲れない理由ひとつ
「ようこそ立花博士、それに確かトーキョーアンヘルの責任者の……」 「黄坂南です」 相手が思い出す前に名乗った南は、全域展開している人機の編隊へと視線を向けていた。