【1】「邂逅の刹那」 ――鋼鉄のゆりかごは軋む。諳んじるのは望郷の子守歌。掠れた歌声は我が子が遠ざかっていくその時が迫るのを知って、恐ろしいのか――。
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 339 タバコにまつわるエトセトラ
「そんでもって、この書類はあっちに回すとして……んで、オレが引き上げてきたアメリカの情勢ですが……。友次さん?」 声をかけられて友次はハッとして慌てて反応する。
JINKI 338 ここに居る自分とあなたへ
カナイマアンヘルの倉庫はあらゆる試作品でごった返しており、広世にしてみれば馴染みの薄いものも多い。 「なぁ、古屋谷さん。これって、何なんだ?」 「あー、それね。石傘さんが造った人機専用のフライトシステムの試作品なんだ」
JINKI 337 スキャンダル・ハリケーン
「ちょ、ちょっと立花さん……。押し過ぎ……」 「だってー、しょーがないじゃん。ほら、バレちゃうから静かにしないと」 唇の前で指を立てたエルニィに赤緒は呆れ返りつつも再び視線を振り向けようとして、真正面を遮られた無頼漢の […]
JINKI 336 魂の故郷を求めて
声が出てしまうのは、それを予期していなかったからか。あるいは、ある程度理解していても、やはりまだその時が訪れることへの認識が足りていなかったのかもしれない。 爆ぜる。
JINKI 335 アンヘルとにゃんこ その2
柊神社の石段ですれ違ったのは金枝で、両兵がぎょっとした瞬間、彼女の瞳に大粒の涙が浮かぶ。 「び……」 「び……?」
JINKI 334 ほっぺたにまるっ!
「次はこれ書いて……そんでもって次はこれね」 次々と差し出されていく答案用紙を前にして赤緒は完全に過労状態で赤ペンを走らせながらうっ、と戸惑う。 「あ、あのー……ジュリ先生……?」
JINKI 333 愛と友情も薄明の朝陽に
ずーんと沈痛に顔を伏せたマキに対して、赤緒はお茶を注ぎながらそろそろ限界か、と悟っていた。 「マキちゃん? そろそろ休憩する?」 「ま、まだ……っ! まだ頑張らないとぉ……締め切りに間に合わないんだから……!」
JINKI 332 インターネットはたいへんだ
「な、なぁ……秋ぃ……。そろそろ休んだほうがいいんじゃないのか? ほら、ずっと張り詰めたってしょうがないんだし」 「そ、そうだよ! シールちゃんの言う通りって言うかさ……。秋ちゃんも、ね……?」
JINKI 331 数センチの歩み寄りを
脈拍が加速するのは、いつもこういった感覚に身を委ねているからだけではない。 武器を取れば、自ずと。それでいて己の中に深く潜る。心象風景はいつも凪いでいる。青く、広大な海原。それとは相反する赤く燃え盛る空。どちらもが自 […]