JINKI 190 今宵、香りを纏って

 ふんふふーんと鼻歌混じりに《モリビト2号》のアイサイトを磨いていると、不意に声がかけられていた。 「青葉ー! こっちこっちー!」 「エルニィ? もう、どうしたのー? せっかくのお楽しみタイムだったのに……」

JINKI 189 絆の借用書

「それにしても……南さん、これじゃ片付かないですよ」  赤緒は南の持ってきた大仰な荷物の振り分けを手伝っていた。  思えば南の部屋に入るのは片手で数えるほどしかなく、どうして自分がその任を命じられたのかと言えば、今日は誰 […]

JINKI 188 眩しい季節を迎えて

 居間でルイが教材を広げているのを目にして、赤緒は思わず絶句する。 「る、ルイさんが……勉強……?」 「何よ、赤緒。私が勉強しちゃ悪いって言うの?」 「い、いえ、そんなことは決して……。でも、ルイさんが積極的に勉強するな […]

JINKI 187 ガール・オブ・リヴィジョン3

 展開した《バーゴイル》部隊に対し、なずなは《ナナツーシャドウ》のコックピット内で総数を視野に入れる。 「数は七……小隊編成ってところですかねぇ……それで私に勝てるとでも?」 『潜り込んできた側がよく言える。盗人猛々しい […]

JINKI 185 柊神社の怪談話

「……そう、それはいつもと同じ、夜中過ぎだったんだ」  ロウソクを囲んで一同に会したさつきとルイ、それに語り手のエルニィが情感たっぷりに口を開く。 「何か飲み物がないかなーって、台所に行こうとしたところ、だよ。聞こえてく […]

JINKI 181 まごころを携えて

「えーっと、まずはさつきと赤緒の対戦ね。では、お互いに見合って見合ってー」  行司を務めるエルニィに赤緒とさつきは両者共に向かい合っていた。  搭乗するには人機――とは呼び難い腕の大きな機体同士である。