「で、こっちにあるってコネ宮は言いたいわけね」 「それは……ルイ先輩ほどの方に意見はできないところもありますけれど……」 ルイと金枝が揃って渋面を突き合わせるので、さつきはおずおずと挙手して意見する。
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 329 黒の女と方舟の担い手
『待ちなさいってば!』 黒く染まった大地を蹴り、《モリビト1号》が駆け抜ける。その手を伸ばして飛翔する人機を掴もうとするが、相手はさらに高空へと逃れる。
JINKI 328 黄昏にて、杯を片手に堕天する
互いにデッキブラシを構えて対峙する。 まさか、事ここに至って勝負するとは想定外であったが、それは双方ともにである。 「いい? こっちからこっちまでがボクの分ね! キミはそっちからそっち!」
JINKI 327 巡る季節と乙女心
「……おい、青葉ァ! 今日の訓練、そろそろ始まンぞ! 何やっ、て……?」 宿舎のタラップを駆け上がり、大声を上げた両兵は青葉の部屋の前で佇む人影を目の当たりにしていた。
JINKI 326 まだ見ぬ青の明日へ
疾走感はこれまで運用してきた人機とは雲泥の差だ、とアイリスは操縦桿を握りながら噛み締める。ヘッドアップディスプレイの圧倒的な処理速度も、ましてやフットペダルを踏み込んだ際の加速も、鹵獲した《バーゴイル》とは一線を画して […]
JINKI 325 開幕!テッチャンマラソン!
『レディース&ジェントルメン! ここに集まってくださった紳士淑女の皆さん! さぁさ! 今一番のゼッケンから六番のゼッケンまで揃いましたー……っと! 五番ゼッケンがここで乱痴気騒ぎかぁー!』
JINKI 324 心震わす出会いを
「えーっ! やっぱりないじゃん!」 マキが大声を発したので赤緒はどこか居心地が悪くなってしまう。 「ま、マキちゃん……あるって誰も言ってないよ……」
JINKI 323 彼らのシンプル・プラン
三日間も補給物資がないとなれば、前線に影響してくるのは必定と言えるだろう。それでもなお、《バーゴイル》相手に徹底抗戦を続ける現地兵士たちは今もまたキョムのシャンデリアの光が降り注ぐのを絶望の眼差しで眺めていた。ここでの […]
JINKI 322 アキラの手記#2
煤けた風が吹き抜けていく。長い黒髪を巻き上げていくロストライフの土壌の乾いた空気は、いつになっても慣れないものだ。アキラは今もゆっくりと大地を踏み締めていく《マイマイ》の振動を感じながら、巻き付けたペンを取り、手記を書 […]
JINKI 321 忙しくも麗しい日々に
「うーん……よくないんだけれどなぁ……」 そう思いつつ赤緒は部屋の模様替えをしながら呟く。明日には国語と日本史の小テストが迫っており、そこからの逃避行為であったがどうにも勉強に身が入らない。