JINKI 98 巨人狩り 後編①

「……逸った真似をする。ジュリの《CO・シャパール》には隠密性もあるからこっちじゃ把握し切れない」  セシルがモニターをさばきながら舌打ちを漏らす。その背中を視界に入れつつヴィオラは口にしていた。 「……ジュリは柊赤緒に […]

JINKI 99 巨人狩り 後編②

「わっ、私の《ナナツーライト》が切り込み役?」  自衛隊の作戦基地に呼び出されたアンヘルメンバーは全員、重苦しい面持ちであったが、エルニィの提言に驚愕を浮かべたのはそれも全員であった。 「そ、そんな……! 立花さん、無茶 […]

JINKI 100 巨人狩り 後編③

 全ての音が消失する。  そんな無音の中で、間違いの象徴のように雲間からこちらを見据えるのは、翼持つ妖魔であった。 「……別の、人機……」 『まさかここまで……《ティターニア》を追い込むとはな。血塊炉を完全停止させる技、 […]

JINKI 95 巨人狩り中編①

「オーライ、オーライ。よぉーし、そこまで」  エルニィは傾がせた麦わら帽子越しに陽光を睨む。  憎々しいほどの晴天はしかし、砕け散った敗残を散らすのにはあまりにも無情であった。 「ひとまずパーツは集めて。あとはこっちで何 […]

JINKI 96 巨人狩り中編②

 呼ばれたと思えば、エルニィが熱を発する箱部屋に押し込まれているのを目にして、南はうろたえる。 「……何やってんのよ。ここ、蒸し暑いわね……」 「電算ルーム。こういう、ちょっといつもより不確定な要素の強い敵が現れた時の備 […]

JINKI 97 巨人狩り 中編③

「しっかし、エルニィの奴。かなり無茶な要求を突き付けたみたいだなぁ」  シールのぼやきに月子はコックピットに入って反応を見ていた。操主ではないものの南米でいくつもの人機を取り扱ってきた経験がある。  操縦系統やシステムの […]

JINKI 92 巨人狩り 前編①

 ――ああ、今日も夢見ている。  燃え立つのは絶海の地平。業火に堕ちた漆黒の大地に、巨影が浮かび上がる。  灰色と薄紫を基調としたその色彩は、今は地獄の炎を照り返していた。屹立するその姿はまさに、天地を縫い留める一本の柱 […]

JINKI93 巨人狩り前編②

「だから! そのプランじゃ通らないって言っているでしょうが!」  声を荒らげる南を赤緒はどこか遠巻きに眺めていた。 「……荒れてますねぇ、南さん……」 「あー、何かさ。上役のせいで《ナナツーライト》の新機軸武装のプランが […]

JINKI 94 巨人狩り 前編③

 海岸線の防衛網にナナツーの試作型が充てられて一か月が経っただろうか。  元々汎用性に優れた人機と呼ばれたナナツーだけあって、その場から動かないと言う条件ならば、現地の自衛隊はそれなりに動かせるようにはなっていた。  だ […]

JINKI 91 アンヘルとお菓子のオマケ

「あーっ! またハズレだよ」  手のひらサイズの箱を開いて嘆くエルニィに、赤緒は持ってきたお茶を差し出しつつ尋ねていた。 「……何なんです? それ。小さな……消しゴム?」 「これ? お菓子会社に南が渡りをつけてくれてさ。 […]