【9】「笑顔の理由」 「あ、あの……」 夕飯時に柊神社の台所に顔を出した金枝に、さつきは少しだけ戸惑う。 「……ああ、えっと……三宮さんでしたっけ? まだ夕飯には少し早いですので、ちょっと待っていただければ」
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 301-8 暗躍する影と、彼らの日々
【8】「暗躍する影と、彼らの日々」 「よっ。よかったなぁ、お前。あんだけ大事だったのに、もう退院だろ?」 両兵が橋の下のソファで寝そべっていると不意に声をかけられる。 瞼を上げると勝世が上着片手に顔を覗き込んでいた。
JINKI 301-7 訪れた日常と非日常
【7】「訪れた日常と非日常」 翌日にはもう学校に行けと言われても、赤緒にしてみればどこかふわふわとしていて現実感がない。 「……赤緒っ。どうしたのー? 何かいつもよりもぼーっとしちゃってさ」 「マキちゃん……。私、その […]
JINKI 301-6 空白の追想
【6】「空白の追想」 思い返すのは作り物めいた鳥籠の内側で、ふと天高くを舞う鳥をいつも目で追っていた。 枯山水の白い庭園。
JINKI 301-5 三宮金枝と言う名前
【5】「三宮金枝と言う名前」 「ホント――信じらんない! 何やってんのさ、両兵は!」 ある程度の話を聞き終える前にエルニィが唾を飛ばして追及する。
JINKI 301-4 恐怖は漆黒の影と共に
【4】「恐怖は漆黒の影と共に」 現地での接触は厳禁だと、そう言われていたことを揺蕩う意識の中で思い返す。 カプセルが開き、その意識を「引き継いだ」のを認証してから意識を取り戻していた。 「……前任者も急いだものだ」
JINKI 301-3 それぞれの脅威
【3】「それぞれの脅威」 「実際のところ、こう着状態、と言ったほうが正しいだろうな」 帰宅するなり、パソコンと向かい合っていたドクターオーバー――否、瑠璃垣セリに対してなずなは声を飛ばす。 「……逆探知だとかは……」
JINKI 301-2 迎撃準備
【2】「迎撃準備」 《モリビト2号》で飛翔高度を取るのは思ったよりも大変で、赤緒はフライトユニットの調整を行う。 「えっと……《空神モリビト2号》、安定高度に入りました。……飛ぶのって大変なんですね」
JINKI 301-1 白銀の少女
【1】「白銀の少女」 一つ、二つと光芒が迫り来るのを目の当たりにして、アームレイカーに思惟を通す。 連動した機体循環パイプが軋み、空から強襲してきた《バーゴイル》へと銃口を突きつける。 即座に武装識別信号が振られ、 […]
JINKI 300 アキラの手記#1
「 1991年5月某日。 本日の天候は晴れ。 風向きは北北西、視界は良好。 」 それなりに風の向きが意味を持つのは、今も黒々とした荒野を進む大型人機の推進力になるからだ。