レイカル76 1月 レイカルと一年の抱負

「これと、これと……あとこれを」  文具屋で買い付けた一式を買い物袋に入れて、作木は年明けの冷たい風が吹き抜けていく都市部を踏み歩く。まだ年が明けて二日目――そのせいか開いている文具屋を探すのも一苦労であったが、凍える呼 […]

レイカル75 12月 レイカルとサプライズサンタ

 サンタクロースと言うものを意識し始めたのは、恐らくは幼稚園時代であったと思うのだが、その頃から子供に似つかわしくない達観があったような気もするのだ。  だからこそ、夢を与える側になってからの立ち振る舞いには気を付けなけ […]

レイカル73 10月 レイカルと秋の心得

「そこそこー! ナナ子、狙い目ぇーっ!」  小夜が囃し立てると、ナナ子はふふんと胸を反らして構えを取る。 「さぁ、覚悟なさい! 削里さんに作木君! ナナ子ぉーウルトラスーパーデラックス……」

レイカル72 9月 小夜と過ぎ去りし夏の祭典に

 猛暑を超えて少しはマシになったかと思ったら生憎の雨模様で、小夜は陰鬱なため息をついていた。 「……この時期っていつもテンション下がる……」 「こう天気が崩れると、なかなかイベントも難しそうだもんね。撮影はどうなってるの […]

レイカル 70 7月小夜とカグヤと七夕の季節

 テレビでパンダが笹を食べているのを目にして、そう言えば、と小夜は思い出していた。 「……明日って七夕じゃない」 「うん? そんなことで思い出しちゃって。小夜もカレンダー通りの仕事じゃなくなったのかしらね」

レイカル 68 小夜とオタクへの道

 そう言えば、幼少期には自ずと魔女っ娘に憧れてきた気がする――それも漫然としたものであろう。  周りがそちらに興味があったから、自分もというだけの代物に過ぎない。所詮、子供の世界と言うのは流れ流されがあるものだ。

レイカル 67 レイカルと花めく季節に

「もしもし? ああ、ヒミコか。……うん、そうそう。ちょっと食べ物が思ったよりも足りなくってな。至急、用意してくれると助かる」  削里が電話ボックスの中で何度か相槌を打つのを、作木は不思議な気持ちで見つめていた。

レイカル66 3月 レイカルと三寒四温の日々

 気温の落差は目に見えて出てきていると実感するのは、こうして外を出歩くと冬服をまだ仕舞っていない人間と出くわす時だ。  そういう時には決まって、自分の服装が適切なのかどうかが分からなくなってくる。