JINKI 286 きまぐれの麦わら帽子

「……おい、せっかく晩飯を貰いに来たってのに、何だこの有り様は」

 両兵が文句を垂れた視線の先には木材の繊維がそこいらに散乱している。

 しかし、誰も彼も片づけようともせず、必死にかぎ針で編んでいるのは――。

JINKI 284 旗を振って歩こう

「赤緒ーっ! ほら、もっとちゃんと捕まえに来なよー!」

「た、立花さん……ちょっと待ってくださいよぉ……」

 黄色い旗を振ったエルニィが先導し、その後ろをようやくよっこらよっこらと付いていくのは《テッチャン》に乗った赤緒である。

JINKI 283 私のマンガ道パート2

「……おい、ヴァネット。今日は随分と連れが多いじゃねぇの」

 河原で両兵が釣り糸を垂らしていたところに連れ立って来たのはメルJだけではなく赤緒と、それに――。

「まぁ、ちょっとした取材らしいんですけれど……」

レイカル 61 10月 レイカルと巡る季節に

 小夜が扉を開けたところでちょうど出くわしたのはレイカルで、彼女はバスケットを差し出して片手におもちゃの銃を持っている。

 口元を隠し、黒いサングラスをかけていた。

「えーっと……確か、お菓子を渡せ。そうでないとイタズラするぞ」

JINKI 281 夜更けにカレーを君と

「……どうしよう。眠れないかも……」

 夜半が過ぎ、青葉は身を起こす。

《モリビト2号》の操主になると決めてから、いつも昼間には訓練と勉強が待っているので、すぐに眠りには落ちるのだが、今宵は少しだけ寝つきが悪い。

JINKI 278誰でもない私のために

『機体順応性は三十パーセント未満に設定。操主へのダメージフィードバックは二割以下に。内蔵血塊炉活性化開始。赤緒、オートマチックに順次対応し直してくれる?』

「は、はい……。えーっと、ここがメインカメラと連動していて……」

 重たい音が響き渡り、システムが新型のRスーツに順応していく。