JINKI 307 いい人の条件

 生憎の雨空が続いており、そう言えばそろそろ梅雨時か、と両兵は柊神社の軒先で感じ取る。

「痛ってて……昨日は飲み過ぎちまったな……」

 日本の低気圧は思ったよりも堪える。片頭痛を少しでもマシにしようと台所に向かったところで想定外の顔と鉢合わせする。

JINKI 306 いずれ来る未来に向けて

『現状、操主伝導率は七十パーセントで推移。血塊炉反応はオールグリーン』

 いくつかの通信を聞きつけつつ、インジケーターを確かめる。即席の上操主席から望む景色は格納庫の一角であり、出撃姿勢に入ったまま専用Rスーツから伸びるラインが人機の脈動を感じさせる。

JINKI 304 はなまるの努力を

「えーっと、何なんです、これ……」

 夕飯の買い物を終えたところで居間に訪れた赤緒は目の前の光景に茫然とする。

 さつきがストップウォッチを持っており、卓を囲んでルイが居るのはまだ分かったのだが、その対面では両兵とメルJがじっと視線を落としている。

レイカル 68 小夜とオタクへの道

 そう言えば、幼少期には自ずと魔女っ娘に憧れてきた気がする――それも漫然としたものであろう。

 周りがそちらに興味があったから、自分もというだけの代物に過ぎない。所詮、子供の世界と言うのは流れ流されがあるものだ。

JINKI 302 まごころのへそくりおむすび

「いい? ルイ。今週の貯蓄量はそうそう馬鹿にならないんだから。慎重にね」

「分かってるわよ。南じゃあるまいし」

《モリビト2号》の整備点検を終え、青葉が格納庫周りをうろついていると、不意にそんなやり取りが聞こえてきたものだから、思わず身を隠す。

JINKI 301-21 帰るべき場所へと

【22】「帰るべき場所へと」

 修学旅行がどうなることか、と思っていたが、存外にマキと泉はたくましく、二日分延長になった京都旅行を満喫したようだった。

「赤緒! 大丈夫だったの? 外には出るなって言われていたからさ!」