「ねぇ、ユーリ。持て余してるなー、とか思ってる?」 問いかけられてユーリは眼鏡のブリッジを上げた。芳しいコーヒーの香りが漂ってくる。故郷ほどではないが、日本のコーヒー文化も悪くはない。 薄暗闇の喫茶店では相棒であるオ […]
カテゴリーアーカイブ:オリハルコン・レイカルnobel/著 シチミ大使
レイカル 3 「レイカルのひな祭り」
「創主様。なにやら視線を感じます……。敵の気配かも……」 パーカーのフード部分に隠れていたレイカルが不意にそのようなことを言い出したものだから、作木は困惑した。 覚えず周囲へと視線を配る。その眼差しに警戒が宿った。 […]
レイカル2 バレンタイン「乙女の戦場」
「乙女の戦場の季節がやってきたわよ、小夜」 スイーツバイキングで不意にそう切り込んできたナナ子に、小夜は訝しげな眼差しを注いだ後、額に触れた。 「……何?」 「いや、熱でもあるのかなー、って」 「小夜! 悔しくないの? […]
レイカル1 Xmas 「レイカルのクリスマス」
浮遊する影がその手のひらを輝かせる。真紅に染まった可視化されたオーラ――ハウルが纏いつき、一台のトラックを縫い止めた。 「な、何だ、おい!」 運転席でドライバーが困惑する間にも、その距離は電柱まで刻々と詰まっていく。 […]