「もうっ、あったまに来たー! 赤緒のトンチンカン! 馬鹿! オカン気質ーっ!」 さつきが柊神社に帰宅して早々、叫び声が聞こえてきたかと思えば、エルニィが目を潤ませて飛び出す。 「あ……えっと……」
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 255-17 夜明けへ
【17】「夜明けへ」 浜辺に打ち上げられたのは、恐らく僥倖であったのだろう。 とは言え、最早命の灯火は消えかけていた。
JINKI 255-16 暗礁純黒夜
【16】「暗礁純黒夜」 手負いの《ゴルシル・ハドゥ参式》は《ダークシュナイガー》の反応がロストしたのを見計らって戦域から逃れていた。
JINKI 255-15 悪夢を超えろ
【15】「悪夢を超えろ」 「作戦に組み込まないわけにはいかないよね、やっぱり。今のところエネルギー反応がほとんどゼロとは言え……」 考慮を浮かべたエルニィにランディが気安く応じる。
JINKI 255-14 銀翼は煌めく
【14】「銀翼は煌めく」 「……奴だ。メシェイル」 感覚した思惟でJハーンは漆黒の機体の翼を翻す。「……ライフエラーズ計画には少し数が足りないが、仕方あるまい。《シュナイガートルーパー》は順次、敵機を制圧。なに、性能面で […]
JINKI 255-13 出撃
【13】「出撃」 《ビッグナナツー》の甲板上で、赤緒はメルJと遭遇していた。 出撃までは声をかけるつもりはなかったが、彼女は新たなる翼を手に入れたのはエルニィと両兵から既に伝え聞いている。 「……赤緒か」
JINKI 255-12 愛するツバサは
【12】「愛するツバサは」 他とは違う、機密デッキに格納された機体の前へと、メルJは両兵と共に佇む。 「我が国としてもこれは最重要機密でね。わたしのアクセス許可がなければコンテナが開くようにはできていない」
JINKI 255-11 男の意地を貫く
【11】「男の意地を貫く」 ペーパープランには目を通した、と勝世は言い置いていた。 「だがよ……これは勝つための方策とは呼べねぇんじゃねぇか?」 「それでも……私たちにとっては贖罪の方法なんて、これ以外に思いつかなくっ […]
JINKI 255-10 悪の同胞たちよ
【10】「悪の同胞たちよ」 交渉の矢面に現れたのはシバ一人で、Jハーンは拍子抜けしたのもある。 いや、キョムにしてみればロストライフを推し進める者同士。摩擦は少ないほうがいいのかもしれない。
JINKI 255-9 もう一度、空へ
【9】「もう一度、空へ」 誰かに言葉を告げて、それで満足した気になるなんてらしくはなかったはずだ。 それでも、今も死の雪が降りしきる都市部を眺め、メルJは腫れた眼に染み入ってくる甲板の潮風を感じていた。