レイカル55 4月 レイカルと新学期

「それにしても……すっかりあったかくなったわねぇ」  削里の店にてまったりとしていた小夜に、ナナ子は言いやる。 「春先って不安定な気候だけれど、何だかかんだで春めいてくるものよ。そういう小夜も、新しい仕事で大変なんでしょ […]

レイカル54 2月 レイカルとお腹いっぱいの季節を

「今日の修練じゃが、その前に言いたいことがある。……菓子を頬張りながら勉学とは感心せんのう……」  ヒヒイロの修行に対し、レイカルたちはめいめいに色調のあるチョコレートを口に放り込んでいた。

レイカル53 1月 レイカルと年賀状

「カリクム! 準備はできたか?」 窓から飛び込んできたレイカルに、カリクムは目を見開く。「お前……窓から入って来るなよ、まったく……」「あらぁ、カリクム。そう言う割には準備万端じゃないのぉ」 ラクレスの囃し立てを受け、カ […]

レイカル 52 12月 レイカルと中二病

「……うー、寒っ。……あれ? レイカル、どうしたのよ、それ」  削里の店へと足を運んだ小夜は黒いコートを着込んでいるレイカルを発見する。 「ふふっ……知りたいか? 割佐美雷……」  その手には包帯が巻かれており、まさか、 […]

レイカル51 11月 レイカルといい日旅立ち

「寒っ。すっかり冷え込んできたわねぇ……」  駅のホームに出るなり、小夜はそうぼやいていた。  今日は少し遠くのロケ場所に行くのに、珍しく電車移動で、小夜はコートを羽織っていた。

レイカル50 10月 小夜と秋風の季節に

「あれ? ナナ子、何してるのよ。これまで作ったレイカルたち用の服を集めたりして……」  ナナ子がキャリーケースいっぱいに服を並べ上げているのを目にして、小夜は疑問符を浮かべる。 「まぁ、なんて言うの? ちょうど気温とかも […]

レイカル 49 9月 レイカルと衣替え

 宵闇を駆け抜けるのは、何も慣れたものでもなく。  ただ、最初のほうよりかは少しだけこの戦闘にも掴めてきた――と、作木は小夜のバイクの後部に跨って声にする。 「レイカル! 敵は三体……! ダウンオリハルコンだ……!」

レイカル 48 8月 ウリカルと水刃の残暑見舞い

「それにしたって、どういう風の吹き回しなのかしらねー。水刃のジジィがこの時期に呼んでくるなんて」  サイドカーに乗り込んだナナ子のぼやきに、小夜はうーんと呻っていた。 「そうねぇ……水刃様が私たちを改まって呼びたいなんて […]

レイカル 47 7月 カリクムと憂鬱な金曜日

「雨ばっかりで今年は憂鬱よねー」  しとしとと降りしきる雨空を眺め、ため息をついたナナ子に小夜は少し同調できないでいた。 「……毎年のことでしょうに。それに、何だかんだで季節は巡るでしょ? もう七月なんだし、そろそろ…… […]

レイカル 46 6月 ウリカルと父の日

「うん? いつになくそわそわしているじゃないか。何かあったのかい? ウリカル」  声をかけた削里に対し、ウリカルは見つめていた雑誌を大慌てで閉じていた。 「い、いえ……っ、その……何でもございませんっ! 削里様……っ!」