お墓参りと言うのは嫌でも気が滅入ってしまうと、小夜は礼服を探しながら嘆息をつく。 「……けれど、この時期ってただでさえも暑くってあれだってのに……真っ黒な服を探すって言うのも……」
カテゴリーアーカイブ:オリハルコン・レイカルnobel/著 シチミ大使
レイカル 82 7月 小夜とカグヤと新たなる夏に
(あのぉ~、小夜さん……。こんなのほとんど紐じゃないですかぁ~) 試着室に入るなり、浮遊しているカグヤから発せられた言葉に、小夜はとことん呆れる。 「……あんた、それが言いたいだけでしょう?」
レイカル 80 5月 レイカルと心からの贈り物
街が色めき立っているので、作木はまたぞろ何か行事でもあったかと若干警戒心を走らせる。 「困ったなぁ……。何の行事があったのだかまるで思い出せないんだもの」
レイカル 79 4月小夜と春めく女子たちと
春先になると、ちょっとばかし冬着が恋しくなるのは毎年のことであったが、それにしてもと小夜は見比べていた。 「……着膨れしたって言うか……これ、ちょっと厚着過ぎじゃない?」
レイカル78 3月 レイカルと感謝のお返し
街は色めく。 その喧噪にどこか巻かれたように、作木も少しだけ挙動不審になってしまう。何だか全体的に急かされるような空気を纏っていて、どうにも気もそぞろだ。
レイカル77 2月レイカルと戦友(とも)チョコ
「じゃあ、勝負の形式は一本勝負。先にダウンしたほうの負けね」 ナナ子が取り仕切るのを、小夜は視線を振り向ける。 「(いいけれどさ……これって意味ないんじゃない?)」
レイカル76 1月 レイカルと一年の抱負
「これと、これと……あとこれを」 文具屋で買い付けた一式を買い物袋に入れて、作木は年明けの冷たい風が吹き抜けていく都市部を踏み歩く。まだ年が明けて二日目――そのせいか開いている文具屋を探すのも一苦労であったが、凍える呼 […]
レイカル75 12月 レイカルとサプライズサンタ
サンタクロースと言うものを意識し始めたのは、恐らくは幼稚園時代であったと思うのだが、その頃から子供に似つかわしくない達観があったような気もするのだ。 だからこそ、夢を与える側になってからの立ち振る舞いには気を付けなけ […]
レイカル74 11月 レイカルと裁縫日和
大人になってみると、案外季節の機微と言うのは失われるもので、小夜はテレビからもたらされた報告にふと気づく。 『東京は例年よりも四日早く、木枯し一号が吹きました!』
レイカル73 10月 レイカルと秋の心得
「そこそこー! ナナ子、狙い目ぇーっ!」 小夜が囃し立てると、ナナ子はふふんと胸を反らして構えを取る。 「さぁ、覚悟なさい! 削里さんに作木君! ナナ子ぉーウルトラスーパーデラックス……」