レイカル45 5月 それぞれの母の日に

「これを選んでやると、さしもの奴とは言え、喜ぶのではないかのう」

「ふむふむ……参考になります」

 道を歩いていると、不意に見知った声が聞こえてきて、小夜は振り返っていた。

JINKI 213 アンヘルのチャット同盟

「えーっと、電話回線をこっちで繋いでーっと。柊神社の電話回線ってどうだっけ?」

「こっちよ、自称天才。確か赤緒がここに繋いでいたわ」

 エルニィが電線をガイドしたところで、台所から菓子盆を持ってきたさつきが顔を合わせる。

JINKI 212 二人の相性の距離

「おめでとー! 二人の相性はバッチリ!」

 神事を終えて柊神社に帰るなり、境内でエルニィの声が弾けて赤緒は顔を出していた。

 そこには大仰なハートマークを付けた筐体が設置されており、初々しい男女二人組がお互いを見つめ合って照れている。

JINKI 211 出会いのヨスガに

『青葉、そっちに三機行った。こっちではフィリプス隊長と一緒に古代人機を押さえておくから、《バーゴイル》の迎撃を頼む』

 通信網より耳朶を打った広世の声に、青葉はジャングルに潜ませた《モリビト雷号》より、砲身を突き上げていた。

レイカル44 4月 削里と花見酒

「風流なもんだ。こうして、外で将棋を打つなんて」

「しかし、真次郎殿。少し、無理なのでは?」

「無理なんて言うもんじゃないさ、ヒヒイロ。それとも、お前の盤面に不満でもあるのか?」