「それにしたって赤緒もケチくせぇよなぁ。“無駄遣いは千円までですよ!”って……こちとら小間使いじゃねぇんだが……」 ぼやいたシールに月子は応じる。 「仕方ないよ。いつも買い出しをしてるのは赤緒さんとさつきちゃんなんだし […]
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レイカル62 11月 レイカルと勤労感謝の日
削里の店に着くなり、レイカルがどうしてなのだかヒヒイロの肩を揉んでいたので小夜は首を傾げる。 「……な、なに? もしかしてご機嫌でも取ってるの? よりにもよってレイカル、あんたみたいなのが……?」
JINKI 286 きまぐれの麦わら帽子
「……おい、せっかく晩飯を貰いに来たってのに、何だこの有り様は」 両兵が文句を垂れた視線の先には木材の繊維がそこいらに散乱している。 しかし、誰も彼も片づけようともせず、必死にかぎ針で編んでいるのは――。
JINKI 285 最適な朝に
「青葉……青葉っ!」 「うーん……あれ? エルニィ……?」 「何で疑問形なのさ。って言うか、そろそろ朝ご飯なんだけれど」 腰に手を当ててむすっとするエルニィに青葉はハッとして起き上がる。
JINKI 284 旗を振って歩こう
「赤緒ーっ! ほら、もっとちゃんと捕まえに来なよー!」 「た、立花さん……ちょっと待ってくださいよぉ……」 黄色い旗を振ったエルニィが先導し、その後ろをようやくよっこらよっこらと付いていくのは《テッチャン》に乗った赤緒 […]
JINKI 283 私のマンガ道パート2
「……おい、ヴァネット。今日は随分と連れが多いじゃねぇの」 河原で両兵が釣り糸を垂らしていたところに連れ立って来たのはメルJだけではなく赤緒と、それに――。 「まぁ、ちょっとした取材らしいんですけれど……」
JINKI 282 その背中を信じたくって
「立花さん、本当にいいんですよね……?」 問いかけたのは下操主席に乗り込んだ赤緒で、上操主席で血続トレースシステムを掴んだエルニィは頑固に応じていた。
レイカル 61 10月 レイカルと巡る季節に
小夜が扉を開けたところでちょうど出くわしたのはレイカルで、彼女はバスケットを差し出して片手におもちゃの銃を持っている。 口元を隠し、黒いサングラスをかけていた。 「えーっと……確か、お菓子を渡せ。そうでないとイタズラ […]
JINKI 281 夜更けにカレーを君と
「……どうしよう。眠れないかも……」 夜半が過ぎ、青葉は身を起こす。 《モリビト2号》の操主になると決めてから、いつも昼間には訓練と勉強が待っているので、すぐに眠りには落ちるのだが、今宵は少しだけ寝つきが悪い。
JINKI 280 すれ違っても、二人
「だから、あれは食わんと言っているだろうが」 「駄目ですっ! 好き嫌いしちゃ……!」 言い合いをしているのは赤緒とメルJで、さつきは洗濯物を取り込んでからエルニィへと尋ねる。