レイカル 11 十月「レイカルのハロウィン」

 ふと、帰ってくるなり部屋の電気が点かないのを、作木は訝しむ。

「あれ? 電気代、払い忘れたかな……?」

 なら仕方がない、と歩を進めた、その時であった。

 足元がワイヤーを引っかけ、よろめいたところにクッションが顔面に飛んでくる。視界を閉ざされ、倒れ込む中で、柔らかなハウルの緩衝材が生じて、雲の上に降り立ったかのような安心感と共に突っ伏していた。

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